フッ素を使ったむし歯予防を家で効果的に行う方法|エフコートは安全?危険?

「フッ素」でむし歯が予防できることは、もはや常識に近く、子供の定期健診では当たり前のように「フッ素塗布」をされる時代になりました。

しかも、むし歯予防の市販薬としてフッ素の仲間の「フッ化ナトリウム」を含むうがい薬が発売されるほど。

私が子供の頃は「フ」の字もなかったなんですが変化するものですね。

また、アメリカやオーストラリアなどでは、水道水に「フッ素」が含まれており、日常的に虫歯予防ができる環境になっていることも。

しかし、同じフッ素の仲間で「フッ化水素酸」というものがあり、これは命を脅かすほどの極めて危険な薬品です。

フッ化水素酸の危険性は次の記事で詳細解説しています
果たしてむし歯予防の「フッ素」は果たして安全なのでしょうか。

効果的にむし歯予防する方法と一緒にそのあたりも解説します。

「フッ素」ってそもそも何者なのかから解説しよう

「フッ素」とは元素のこと。

元素の周期表の覚え方の「水兵リーベ僕の船」の船の「フ」の部分で、元素記号では「F」です。(下図赤枠の部分)

フッ素は反応性が高く、様々な元素と化学反応をしてしまう活動的な元素のため、自然界では何か他の元素と結合した化合物として存在します。

反応性が高いということは不安定であることと同じで、ものによっては爆発したり危険性が高いとされています。

当然フッ素も反応性が高いことから危険な物質です。

冒頭に紹介した「フッ化水素酸」では、水の中ですぐに分解して「フッ化物イオン」を作ります。

このフッ化物イオンは酸性が強くて火傷の原因にもなりますし、何より体内に取り込まれると筋肉の動きに必要な「カルシウムイオン」を奪ってしまい最悪の場合は心臓の動きをとめてしまう人体にとても有害な化合物です。

しかし、子供歯に塗る「フッ素」や虫歯予防の市販薬のフッ素は安全です。

それはどうしてでしょう。

「フッ素」がむし歯を予防する働き

むし歯予防で使用する「フッ素」は、フッ素とナトリウムが結合した「フッ化ナトリウム」が主に使用されます。

ちなみにアメリカでは「ケイ素」と結合した「フッ化ケイ素」が水道水に添加されています。

これらはいずれも「フッ化物イオン」を発生させ、歯のエナメル質成分の「ハイドロキシアパタイト」と結合して、歯を酸から守る能力を高めます。

むし歯は、むし歯菌(ミュータンス菌)が酸で歯を攻撃することで起こるので、フッ化物イオンにより酸からの攻撃を防御する機能を強めることでむし歯予防できるというワケです。

えっ?ちょっと待って。フッ化物イオンは危険じゃなかったの?

そうです。フッ化物イオン自体は人体に有害です。

しかし、むし歯予防として使用するフッ素・フッ化物イオンの量は、極めて少量なので人体には悪影響は出ないとされています。

実はフッ化物イオンは、海、山、土、水など自然界のどこにでも存在しますので全ての食品に含まるもの。

私たちは知らず知らずの間にフッ化物イオンを体内に取り入れているのです。

健康に言いとされている緑茶にもフッ化物イオン濃度で2ppmが入っているほどです。

フッ化物イオンは少量であれば問題はなく、むし歯予防のフッ素塗布やうがい薬程度では人体には影響はありません。

フッ化水素酸でのフッ化物イオンが人体に極めて有害なのは、その濃度が高いためです。

フッ化物イオンでむし歯予防なんてとんでもないとする意見もあります

フッ化物イオンが人体に有害なので、フッ化ナトリウムなどでむし歯予防をするのは良くないとする意見は一定数あります。

しかし、こうした意見は「塩をとると血圧があがるから危険」と言っているのと同じで考え方が極端。

どのような薬だってそうですが、適正に使用すれば体に良い効果がでますが、不適切に使用すればそれは毒です。

食品も同じ。摂取しすぎなければ問題ありません。

同じような話で甘味料アスパルテームが有害とする意見があります。これに対して解説した記事があるので良ければ読んでいってください。

「フッ素」で効果的にむし歯を予防する方法

フッ素塗布やフッ素入りのうがい薬は、フッ化物イオンの働きで、歯の防御機能を上げてむし歯予防に効果があることをこれまでに解説したとおりです。

有害なはずのフッ化物イオンが安全に使えるのは、含有量が極めて少量だったからです。

そうであれば、フッ素塗布を1回やっただけでずっとむし歯予防の効果があるとすれば、効果が強すぎる印象がありますよね。

そうです。

たまにしか行わない「フッ素塗布」では効果は限定的だと考えられています。

ですから子供のフッ素塗布は、3か月~半年に一度など、定期的に歯医者を受診することが重要です。

大人のむし歯予防としては、薄いフッ化ナトリウムを含む市販薬のうがい液「エフコート」をこまめに使うことをオススメします。

それに加えて、フッ素を含む歯磨き粉もうがい液と組み合わせて使用すると効果的。

さらにさらに、フッ素ではありませんが、歯の再生を促し初期のむし歯なら治してしまうガム「POs-Ca(ポスカ)」も一緒に使えるとベストです。

なお、2017年現在では、エフコートは「要指導用医薬品」という規制のため、インターネットでは購入することができません。薬局やドラッグストアで店頭で薬剤師からお買い求めください。

エフコートの詳細はこちら

セルフメディケーション税制の対象品

市販薬を購入すると税金が安くなる「セルフメディケーション税制」という制度が2017年1月から始まりました。

セルフメディケーション税制を詳しく確認する
市販薬によってこの制度が摘要できるかが異なりますので、この記事でオススメした市販薬が、セルフメディケーション税制の対象になるかどうかも紹介しますね。

対象になる市販薬は「○」、対象にならない市販薬は「×」で示します。

市販薬名 対象
エフコート

まとめ

「フッ素塗布」や市販のうがい薬「エフコート」によるフッ化物イオンは、人体には有害な作用があるのは確か。

しかし、それは濃度次第です。

むし歯予防に使用する程度のフッ化物イオンの濃度であれば、自然に含まれる程度の量であり、体への悪影響を心配することはありません。

むし歯になると治療のため、時間とお金がかかってしまうので、むし歯にならないよう予防に努めたいですね。

そのためには、こまめにフッ化物イオンを補給できるよう、エフコートでのうがいやフッ素入りの歯磨き粉を使えると安心です。

さらに初期のむし歯を治してしまうガム「POs-Ca(ポスカ)」もオススメ

この記事では紹介できませんでしたが、口内炎、むし歯、歯周病といった口の中の病気は、オーラルフローラ(口内細菌)の悪玉菌が増えると起こります。

善玉菌を増やせるようオーラルフローラのケアも忘れないようにしたいもの。

詳しくは歯周病予防と口内炎治療について紹介した2つ記事をご覧いただけるとうれしいです。

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