注射しない?最新の鼻にシュっとするインフルエンザ予防接種

インフルエンザの予防には、まずは予防接種を打つことを想像されることが多いと思います。

予防接種の意味合いは、その年に流行しそうなウイルスを先に体に投与しておき、ウイルスに対する攻撃力、防御力をつけることにあります。そうすることでかかりにくい体、重症化しにくい体にすることができます。

ただ、インフルエンザ予防接種の難点は注射であること。誰だって痛いのはイヤです。

実は、欧米では既に注射ではないインフルエンザ予防接種があります。鼻の中にシュッとワクチンを吹き付ける画期的なものです。

まずは注射のワクチンの種類について知ろう

新しい予防接種の特徴の話をする前にワクチンの種類を知っておく必要があります。
予防接種は3種類あります。生ワクチンと不活化ワクチンとトキソイドです。

生ワクチンは、病原となるウイルスを弱らせて投与します。予防接種の効果が高く有効期間も長く有用です、稀に接種時にその病気にかかってしまうことがあるのが難点です。その他重篤な副作用も他よりも多いとされています。

不活化ワクチンは、ウイルスをバラバラにして投与します。バラバラなのでウイルスとして機能はありませんので、その病気にかかることはありません。安全性は高いといえますが、効果は生ワクチンに比べて劣ります。

トキソイドは、細菌の出す毒素に対する予防接種です。代表的なものが破傷風で、破傷風菌が出す毒素を無毒化したものを投与し、その毒素の体への悪影響をなくす目的があります。

注射のインフルエンザ予防接種は、3種類あるワクチンの中でも不活化ワクチンを使用しています。

注射のインフルエンザワクチンの弱点

高くない予防効果

研究によって異なりますが、総じて20~30%くらいしか効果がないとも言われています。

一つのワクチンに流行する可能性が高いA型インフルエンザ2つとB型インフルエンザ2つの4つのウイルス成分が入っていますが、その年に流行するウイルスが違えば、予防接種の効果はほとんどありません。

ただし、型がぴったりあった時の効果は非常に高いともいわれています。

感染そのものは予防できない

血液中にウイルスを退治する抗体を作りますので、鼻や口から入ってきたウイルスにはすぐに効きません。

従って、現在使用されているワクチンは、感染予防ではなく発症予防や重症化予防ということになります。攻撃力や防御力を高めるだけで、無敵になるわけではありません。

予防接種をしたのにインフルエンザにかかったというのは、ワクチン内のウイルスの型と体に入ってきたウイルスの型が違ったか、自分の攻撃力・防御力以上に打ち勝ったウイルスがいたということです。

効果があまり長続きしない

注射の予防接種は、大体3~4ヶ月ほどしか予防効果が続かないといわれています。

まぁ、インフルエンザが流行る期間はそんなものなのでいいかもしれませんが。

ただ北半球が夏の時に冬になる南半球に行くことがある場合に備えて、効果が長く続いてほしいものです。グローバル企業にとっては、このことは結構重要なことになります。

鼻から投与するワクチンの特徴

欧米では「フルミスト」という商品名で、10年以上前の2003年から使用されています。
このタイプのワクチンの特徴を注射型のワクチンの特徴とで比較してみます。

生ワクチン

フルミストは生ワクチンです。
生ワクチンならではの効果が期待できます。

高い予防効果

生ワクチンは効果が高いので、フルミストは80~90%の予防効果があるとされています。

詳しいメカニズムは分かっていないようですが、鼻や気道で免疫を作る「粘膜免疫」だと交叉防御効果といって、ウイルスの型に関係なく免疫が働いて予防できます。

注射の場合、注射内のウイルスと体に侵入してきたウイルスが一致しないと予防効果がありませんが、フルミスト場合は多少違っても予防効果があるということです。

感染そのものを予防

ウイルスが侵入する経路である鼻や気道上の免疫力が高まりますので、ウイルスの感染自体を抑えることができます。

注射だと城内に敵が侵入してから戦っていたのが、フルミストの場合は場外で門前払いできるということです。

効果が長い

生ワクチンの特徴である期間の長さが活きて、約1年間効果が持続するとされています。

唯一の弱点

鼻から投与するワクチンの唯一の弱点は生ワクチンであるがゆえに副作用が不活化ワクチンよりもあるところです。

場合によっては接種時にインフルエンザにかかってしまう可能性もあります。

現在では鼻投与の不活化ワクチンの研究も進んでおり、数年以内に発売される見込みです。
日本では生ワクチン型も発売されていないのにね。

まとめ

注射型のインフルエンザ予防接種は、安全性は高いですが効果の面で少し物足りなさがあります。

一方、鼻投与タイプでは、効果は高いですが安全性の面で少し懸念されるところがあります。

鼻投与タイプは、日本では未承認なので輸入してくれる病院やクリニックを受診する必要がありますし、副作用が起こっても完全に自己責任となるところが難点です。

鼻から投与できる不活化ワクチンが日本で発売されることを期待したいですね。

予防接種で攻撃力、防御力をつけるのも大事ですが、そもそも体への侵入を予防すること大事ですよ。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=310

2 Comments

hashiyu

コメントありがとうございます。
感染する場所で免疫を構築することで、感染自体が防げるようでとても期待できますね。楽しみです。

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