海外出張・旅行者は必見 熱帯・亜熱帯地域の危険な感染症 デング熱編

熱帯・亜熱帯地域に出張・赴任・旅行に行かれる際に注意が必要な感染症がいくつかあります。

このブログの中で、黄熱やマラリアについて病態、予防方法、治療方法についてお伝えしていますが、この記事ではそれに加えてデング熱について紹介したいと思います。

よく間違われますが「天狗熱(テング熱)」ではありません。「デング熱」です。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=474

https://industrial-pharmacist.com/?p=368

デング熱の感染経路

デング熱はデングウイルスによって引き起こされる感染症です。

デング熱ウイルスは全部で4種類あって全てネッタイシマカやヒトスジシマカなど特定の蚊を媒介して感染します。

一度感染すると免疫を獲得して次からは感染しなくなりますが、型が異なるとウイルスに感染してしまい全部で4回感染する可能性があります。

ちなみに黄熱はネッタイシマカ、マラリアはハマダラカという蚊を媒介して感染します。

2014年から日本でも流行していますが、これは日本にも元々いるヒトスジシマカで広がっていると考えられますが、地球温暖化の影響で日本でもネッタイシマカが定着する恐れもあります。

デング熱の症状

感染してから2~15日間の潜伏期を経て、38℃以上の高熱、激しい頭痛、関節炎、筋肉痛、発疹などの風邪やインフルエンザのような症状がでます。発熱は1週間程度継続し、熱が下がる頃に全身に痒みを伴った発疹が出ることもあります。

デングウイルスに感染しても症状が全く出ない場合もあります。

発症当初から血小板が減少しますが、まれに血小板が減少しすぎてデング出血熱という重い症状に至ることがあります。

デング出血熱では適切な手当がなされない場合、40~50パーセントが死亡すると言われています。

出血熱は発熱して2~7日してから発症することが多いようですが、デング出血熱になるかどうかは予測できないとされています。

デング熱の治療

デング熱には特効薬はなく、現れる症状に対する対症療法が行われます。

風邪のような症状が出ますので、解熱鎮痛剤を使うことがあります。

その場合、「バファリン」のような血小板の凝集抑制作用のあるアスピリン系の解熱鎮痛剤は、出血熱を助長させてしまうために避ける必要があります。

推奨される解熱鎮痛剤は、アセトアミノフェン(別名:パラセタモール)です。世界的には「タイレノール」という商品名で販売されています。

また、血小板が減少する場合には、血小板の成分輸血をする場合もあります。

開発途上国では、医療機関でさえ衛生状態がよくない場合もありますし何より輸血は特に怖いと思います。

輸血や医療行為により、HIV、B型肝炎、C型肝炎などのさらなる感染症の危険性もあるため予防を確実にするようにしましょう。

デング熱の予防

デング熱の予防接種はありませんし特効薬もありませので、感染しないように次の示すような蚊にさされない行動をすることしかありません。

  • 外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくする
  • 肌の露出した部分には虫除け剤を2~3時間おきに塗布する
  • 宿泊はエアコンのある所にし、窓を開けなくてもいいようにする
  • 電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳を使用する
  • 規則正しい生活と十分な睡眠,栄養をとることで抵抗力をつける

虫除け剤について、アメリカの疾病管理予防センター(CDC)では、虫除け成分としてディート(DEET)やイカリジンを推奨しています。

2016年9月までは日本で販売されている虫除け剤は用量が少なく作用時間が短いのが難点で、日本で購入して持って行くよりも現地で調達する方が良かったのですが、ディート、イカリジンのどちらも高濃度品が2016年9月から発売になっています。

ディートは肌への刺激性がある上に高濃度品だとそれが助長されますから赤ちゃんでも安心して使えるイカリジンの方を準備することをおすすめします。

高濃度イカリジンの詳細は下記リンク記事をご覧ください。

https://industrial-pharmacist.com/?p=2863

まとめ

デング熱は熱帯・亜熱帯で流行するネッタイシマカなどの蚊によって媒介されるウイルス性の感染症です。

通常は軽症ですみますが、まれに重症となり死に至る危険性があります。

予防接種や特効薬が無いのに加えて、不衛生な環境ではHIV、C型肝炎、B型肝炎などの違う感染症にかかってしまう危険性があるので、予防を確実にしなければいけません。

虫除け剤は、アメリカの公的機関で推奨され肌への刺激性のないイカリジンの高濃度品を準備しておくようにしましょう。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=2863

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