薬剤師がダイエット方法について考える トクホやサプリでやせる?

ダイエットの原則は「消費カロリー>摂取したカロリー」にすることです。

それを達成するには食事量を減らすか運動をするしか手はありません。でもそれって続けるのはかなり難しいですし、そもそも皆さんそんなことを知った上で今の生活習慣があるわけで、ちょっとした動機ではなかなか日々の生活スタイルを変えることは困難です。

そこで登場するのが生活習慣を変えずにダイエットの原則を満たして楽にダイエットできるかです。前回の記事では、皆さんがまず頭に浮かぶであろう薬を使ったダイエットについてを紹介しました。

https://industrial-pharmacist.com/?p=393

そして今回は薬と違ってコンビニなどでも手軽に購入できる特定保健用食品(略してトクホ)とサプリメントを使って楽にダイエットできるかについて薬剤師が紹介します。

ダイエットに効果があるとされるトクホ

トクホは消費者庁が効果と安全性を確認して、薬のように摂取することで得られる効果を広告できるようにした食品です。

トクホには様々な物がありますが、ダイエットに期待できるトクホとしては「脂肪を燃焼しやすくする」、「体脂肪を減らすのを助ける」、「脂肪の吸収を抑える」と表示されているものがあります。

それぞれについてもう少し詳しく紹介します。

脂肪を燃焼しやすくする:茶カテキン

花王の「ヘルシア」が有名です。伊藤園の「カテキン緑茶」という商品もあります。

お茶の葉に含まれる「カテキン」を高濃度に抽出したお茶で、カテキンの作用によって脂肪を燃焼しやすくするトクホです。ダイエットの原則の「消費カロリーを増やす」のを助けてくれます。

ヘルシアのメーカーホームページによると脂肪消費を助ける効果は1.3倍程度とのこと。

ん??日常生活での消費カロリーが1.3倍になるのであればとんでもないことです。

成人男性の1日の推奨摂取カロリーは1800~2200kcalですから通常の生活をしていればそれだけ消費するということです。

ヘルシアを飲むことで毎日の消費カロリーが1.3倍になったら、ヘルシアをのむだけで660kcal(2200kcal×1.3-2200kcal)相当のカロリーが追加で消費できることになります。

体重1kgは約7000kcalですから2週間ヘルシアを飲むだけで体重が1kg減るということになり夢のような飲み物ですね・・。

ちなみに私は6か月もの間、メーカーホームページで推奨されている飲み方である1日350mLを飲んだことがありますが1kgたりともやせませんでした。不思議ですね。

この現象の理由はあとで紹介します。

花王のような大企業が販売しているわけですから全く効果が無いとは思えませんが、ヘルシアを飲むだけでダイエットできることを期待するのは難しいのでしょう。

ダイエットの原則が達成できるような生活習慣がやっぱり必要です。

体脂肪を減らすのを助ける:ケルセチン配糖体

サントリーの「特茶」のことです。

ケルセチンとは玉ねぎに多く入っている成分であり、お茶とは関係ないです。サントリーは「伊右衛門」を販売しているからそれにケルセチンを混ぜたものになります。

ケルセチンは脂肪の分解を促して燃焼しやすくさせる作用があります。

メーカーホームページでは何倍くらい燃焼しやすくするのかは分かりませんしたが、ヘルシアと同じく過度な期待はできません。

脂肪の吸収を抑える:難消化性デキストリン

サントリー「黒烏龍茶」、キリン「メッツコーラ」、サントリー「ペプシ スペシャル」が有名です。

難消化性デキストリンのトクホは他にもたくさんあります。

まずこのトクホが効果を発揮するためには「食事と一緒」が基本です。そうすると食事に含まれる脂分の体への吸収が抑えられるということになります。

どんなに油っぽいものを食べても全然平気という印象を受けてしまいますが、実際にはほんの数%吸収を抑制するに過ぎません。従って本当に中性脂肪が高い方にしか効果が無くてダイエット目的には効果は期待できません。

糖尿病の薬で、食直前に服用することで食事含まれる糖分の吸収を抑えるダイエット目的で使用している人もいる薬があります。でもその薬は糖分の吸収のスピードは緩やかにはなりますが結局全部吸収されるためダイエット目的としては意味がありません。

これと同じことが難消化性デキストリンでも言えるのではと思います。

トクホには過度の期待はできません

トクホはヒトでの臨床試験を行って効果あることが確かめられてトクホとして認可されています。

それだけを聞くと医薬品と同じような印象を持ってしまいますが実は全然違います。

医薬品の臨床試験は、GCPと呼ばれる非常に厳密に規制のかかった状況で、厚生労働省がその詳細な内容まで把握した状態で実施しなければ医薬品として認められることは決してありません。

しかし、トクホの臨床試験にはそのような規制はありません。

そのため自由度が高い臨床試験ができますので、極端なことを言えば企業が自分たちの都合のいい人だけ集めて、その中で都合のいいデータで解析をしている可能性があります。

花王ヘルシアの例もそうなのかもしれません。何をもって脂肪燃焼効果が1.3倍になるのかがよく分かりません。効果のあったデータだけを公表している可能性もあります。

CMだとか各種広告は医薬品のごとく効果がありそうなキャッチコピーですが、ほんの少しだけダイエットをサポートしてくれる食品であるというスタンスでいた方が幸せです。

ダイエットにとても効果があるトクホであるならトクホにとどまらずに医薬品として発売されているはずです。またはトクホの効果が期待できる有効成分はわかっていますので、大きな効果があるなその有効成分だけ集めて医薬品として発売されいなければおかしいです。

トクホではないサプリはもっと未知数

世の中には非常に多くのダイエット目的のサプリや食品があります。

広告ではいかにも効果がありそうな表現で、つい手を出してしまいそうになりますがトクホと違って効果が実証されているわけではありません。

また一部の食品では体に悪影響を与えてしまうものもあります。例えば、フォルスコリ(フォースコリー)では、動物実験では脂肪肝を引き起こしたとの報告もありますし、肝臓に影響して医薬品との飲みあわせを悪くする作用も持ち合わせているようです。

ただこれから注目が期待されるものもあります。

https://industrial-pharmacist.com/?p=974

これも怪しいと思われるかもしれませんが、ほとんどのガムに入っていて虫歯の予防にもなる「キシリトール」も希少糖の一つですから安全そうなイメージはあります。

しかしながらプシコースはこれから研究が進むものですから効果や危険性は未知数です。

効果や危険性を知るためにはヒトでの臨床試験をするしかありませんから、薬やトクホではないサプリメントや食品は未知数と言わざるとえないと思います。もしかしたら本当に安全に効果が高いものもあるかもしれませんが。

トクホではないけいど消費者庁公認の健康食品

2015年4月からはトクホではないけど薬効を宣伝してもいい制度が始まりました。この適用を受けた成分のことを「機能性表示食品」といいます。

機能性表示食品の中にもダイエットに関係がありそうな商品がありますよ。

https://industrial-pharmacist.com/?p=2738

まとめ

医薬品もこの記事でのトクホやサプリメントも同じですが、安全で楽してダイエットできる夢のような物は今の世の中にはありません。

なりたい自分を思い描き、それに向けた長期的な計画でもって食生活を見直し、適度に運動を行う王道的なダイエット方法がやっぱり最適です。

ただトクホを中心に副作用のリスクが少ないものであれば、王道的ダイエットを実施する補助として活用するのは「アリ」だと思います。

臨床試験の方法がメーカーに都合がいいようにデザインされていたとしても第三者である消費者庁が認めたものですし、大手メーカーのものであれば効果が全くないとか副作用が心配ってことは少ないと思いますので。

https://industrial-pharmacist.com/?p=387

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