生活保護受給者が利用する薬局を一つに

2016年度の診療報酬改定で導入される「かかりつけ薬局」制度を2013年度から導入している自治体があります。

東大阪市では生活保護受給者が薬を受け取れる薬局を1か所にする制度です。

東大阪市生活保護行政適正化について ⇒ こちら

生活保護の受給者は医療費が無料で、高齢化なども伴って医療費増大が問題になっています。私も以前勤務していた薬局で何名か生活保護の方が定期的に来局していただいておりましたが、皆さん揃ってすごい量の薬だったのを覚えています。

この記事では、東大阪市が画期的な取組みを始めた際に取り上げられたニュースを紹介し、私の感じたところを紹介しています。

ニュースの内容

東大阪市:生活保護受給者は「薬局1カ所」 過剰処方防止

毎日新聞 2013年06月12日 21時04分(最終更新 06月12日 21時42分)

東大阪市は12日、生活保護受給者が薬を受け取る薬局を原則1カ所とする「かかりつけ薬局」制度を導入する方針を明らかにした。

早ければ8月から受給者に薬局の登録を促す。過剰な薬の処方を防ぎ、生活保護費の抑制が狙いという。全国でも珍しい取り組みとしているが、生活保護受給者の支援団体からは「受診抑制が目的で、受給者の差別につながる」と制度を疑問視する声も出ている。

市によると、同市の2012年度の生活保護受給者は2万1173人、受給者の割合は市民の4.17%でいずれも大阪府内ワースト3。生活保護費は約385億円に上り、うち43.4%を医療扶助費が占める。

市は受給者が複数の医療機関を受診し、同じ薬を二重に処方されるケースがあるとして、かかりつけの薬局で管理すれば生活保護費の抑制につながると判断した。今後、具体的な運用方法を薬剤師などの専門家と協議する。

一方、生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士によると、生活保護受給者の8割は高齢者や障害者などで、複数の医療機関にかかっている人が多いという。小久保弁護士は「健康と命に関わる問題。薬局ごとに品ぞろえが異なり、必要な薬が1カ所で手に入らないこともあり得る。適切な医療行為を受ける権利の侵害につながりかねない」と話している。

毎日.JPから転載

所感

生活保護受給者が向精神薬を複数の医療機関から無料で入手して転売するケースもあるようですので、不正防止にはこの取組みは効果がありそうですね。

ただ、医療費削減にはどうなんでしょう。薬の重複は防止できるでしょうが、薬局からしてみればここぞとばかりに一包化加算とか加算を算定するでしょうね。

今は保険調剤から離れてしまったので昔の話で申し訳ないですが、以前は「特別指導加算」なんてもありましたね。生活保護や乳幼児の医療費無料の方には、加算の算定に迷う場合には算定してしまっていたと思います。今度は薬局側のモラルが問題にされないようにしないといけませんね。

東大阪市のような都会では、病院や薬局はたくさんあるでしょうに、「受給者の差別」とは少し言い過ぎじゃないかと思います。

また、「必要な薬が一箇所で手にはいらないこともあり得る」という指摘には、毎回同じ薬局を利用するのであれば、薬が揃わないのは最初だけじゃないかと思いますが。たくさんある近隣薬局からも調達できそうだし。

田舎では少し難しい対策かもしれませんが、都会であればとりあえずやってみるのも興味深いと思います。

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