パーキンソン病の薬物治療 勉強会の備忘録

産業薬剤師になってからは薬の勉強会には誘われなければ参加しなくなってしまいました。

薬剤師たるもの日々勉強と思ってはいるものの新薬を勉強してもあまり業務に活かせれませんので、どうしても足が遠のいてしまいます。そんな私が、めずらしく勉強会に行ってパーキンソン病について学んできましたので、備忘録もかねてこの記事で簡単にパーキンソン病とその治療薬について紹介したいと思います。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=266

パーキンソン病について

脳の黒質のドーパミン性神経細胞の変性を主病変とする病気で、ドパミンが不足してアセチルコリンが相対的に増加することによって引き起こされる病気ですが、原因は完全に分かっていません。

振戦(ふるえ)、固縮(こわばり)、無動(動けない)、姿勢反射障害(転びやすい)が4大症状で、それに加えて便秘、レム睡眠行動異常、嗅覚障害があるとパーキンソン病として診断されます。

治療は、薬物療法、運動療法、外科療法とありますが、薬物療法が主な治療となります。順番に紹介します。

薬物療法について

複数種類の薬が発売されていますが、大きく「主薬」と「補助薬」とに分かれます。

薬は上記の振戦などの症状が改善されるかということと次の3つの副作用の起こりやすさによって評価されます。

①ジスキネジア(色々な所が動いてしまう)、②On/Off(薬が効いたり効かなくなったりする)、③Wearing-off(薬が効かなくなる)

主薬

主薬は次の2種類になります。

①Lドパ
②ドパミン受容体刺激薬

補助薬

補助薬は次の5種類あり、主薬の働きをサポートする薬になります。
③分解酵素阻害薬
④賦活型薬剤
⑤ドロキシドパ
⑥ドパミン放出促進薬
⑦抗コリン薬

主薬の詳細

Lドパ

ドパミンを直接補給する薬です。

ドパミン自体は脳に到達しませんので、脳に到達できるようドパミンの前駆物質であるLドパを投与します。この薬は、効果発現が早く強力で、パーキンソン病治療のゴールデンスタンダードです。

但し、半減期が数十分~2時間程度であることとジスキネジア、On/Off、Wearing-offや幻覚、妄想などが問題となります。また、すくみ足や嚥下障害などには効果が乏しいといった短所もあります。

Lドパの作用を上げるために、空腹時の服用、酸性飲料と共に服用、タンパク質の少ない食事、胃酸を中和しない食事、ビタミンCを内服するなどの工夫がなされます。

ドパミン受容体刺激薬

不足しているドパミンの代わりに受容体を刺激して、神経伝達を円滑にする薬です。

wearing-offなどの有害事象が起きにくいですが、Lドパに比較して効果発現までに時間がかかり、効果も弱く単独療法にはあまり利用できません。

非麦角形と麦角形に分類されますが、非麦角形よりも麦角形の方が突発的睡眠や心臓弁膜症といった副作用が懸念されますので、非麦角形がまずは利用されることになってきています。

また、薬剤の血中濃度の増減が大きいとジスキネジア、On/Off、Wearing-offといった運動合併症が発現する傾向にあることから、最近ではレキップCR錠など持続性製剤が多く利用されてきています。

ちょいネタとしては、貼り薬であるニュープロでは、貼る位置によって微妙に吸収率が異なるようです。

まとめ

パーキンソン病は、まだ分からないことが多い病気ですが、治療を早く始めると予後がいいかもしれないとの報告もあるようです。また誰でも年齢を重ねると起こってしまう病気であるとのことです。

パーキンソン病の病態はや治療は、少し難しいそうと敬遠されがちですが、引き続きしっかり勉強いこうと思った次第です。

ちなみにパーキンソン病は、ボクシング選手のモハメド・アリ、映画buck to the futureでお馴染みのマイケルJフォックスなどの有名人も発症している罹患率としては決して低くない病気です。

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