抗インフルエンザ薬の備蓄ってそんなにいらんでしょ

確か2005年頃から強毒型鳥インフルエンザ(H5N1)への備えとして、抗インフルエンザ薬タミフル、リレンザの備蓄が開始され始めました。

2009年のメキシコ発の豚インフルエンザのパンデミックでは、抗インフルエンザ薬をすぐに使用する日本の死者数がものすごく少なかったためにその重要性が示され、国や都道府県とすさまじい量の薬が備蓄されていますが、2013年では使用期限切れの問題が浮上しました。

ということで、この記事ではタミフルなどの抗インフルエンザ薬の使用期限と備蓄の問題について紹介します。

使用期限切れの問題のニュース

【阿部彰芳】新型インフルエンザに備え、国と都道府県が備蓄している抗インフルエンザ薬のうち、約1800万人分が今夏以降、廃棄を迫られる。使用期限の7年を迎えるため。300億円超分に相当し「もったいない」との声が出ている。国はより効率的な備蓄方法を検討する方針だが、妙案は見つかっていない。

備蓄薬は2012年4月現在、計6310万人分ある。備蓄方法を定めた政府のガイドラインは、国と都道府県で半数ずつ蓄えることにしており、カプセルで扱いやすいタミフルが9割近くを占める。

事業は今年で8年目。厚生労働省などによると、昨年度は260万人分が期限切れになり、焼却した。今年度は06年度に買った分が中心で、対象は1800万人分。うち、タミフルが約1740万人分、リレンザが約60万人分。期限切れになった分は新品を買い直すため、今後も購入と廃棄を繰り返すことになる。

yahooニュースから転載(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130624-00000020-asahi-soci)

抗インフルエンザ薬の種類について

日本では抗インフルエンザ薬として全部で5種類が発売されています。(シンメトレルは除外)

2009年の新型インフルエンザ発生時では、タミフルとリレンザの2種類しかなくワクチンの研究もあまり進んでいなかったため、弱毒型だっとはいえパンデミック時にはパニックが起こりました。(日本だけ?)

その後、ラピアクタ、イナビルと優先的に審査が行われてあっという間に製造承認がなされました。さらに2014年には全く異なるメカニズムで効果を発揮するアビガン錠も発売されています。(妊婦は絶対に飲んではいけない薬のため新型インフルエンザ時しか使用できません)

イナビルは1回で済む簡便さから、売上げが伸びています。

  • カプセル剤:タミフル
  • 吸入剤:リレンザ
  • 点滴:ラピアクタ
  • 吸入剤:イナビル
  • 錠剤:アビガン(新型インフルエンザ時のみ使用可能)

(シンメトレルという薬もありますが、耐性問題があってほとんど使用されません)

参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=1203

抗インフルエンザ薬の使用期限について

薬は安定試験などによって発売後でも使用期限が変わり、タミフルとリレンザは発売当時はたった1年でしたが今では7年に延長されています。

7年に延長されてはいるもののニュースにある通り、強毒型鳥インフルエンザ(H5N1)用に備蓄したタミフル・リレンザが使用期限を向かえつつある状況になってきています。

廃棄自体にも費用がかかると思いますが、政府ガイドラインに沿った量を再度備蓄しなおさなければいけないので購入費が莫大なものになってきます。例えばタミフルの薬価317.9円/カプセルで、10カプセル/人使用しますから3,179円/人になります。

ニュースにあるように国と都道府県で6,310万人分もの備蓄があるようなので、全部タミフルで買い直すとすると総額約1,900億円もの税金が必要になるということになります。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=768

この件の問題点

冬になれば多くの方が季節性インフルエンザにかかるわけですから備蓄用の薬を順次使用していけばいいのですが、左側画像のとおり備蓄タミフルは特殊なものになっています。

国と製薬会社との取り決めでこの薬は「備蓄のみ」としていて他には転用できないようになっているようです。

tamiflu_red1-thumbnail2 tamiflu_blue-thumbnail2

抗インフルエンザ薬の必要量

公衆衛生の知識も環境も整っていなかったスペイン風邪ですら、罹患率は3割程度だっととのことですから現代で大流行したとしてもそれほど多くは感染しないと考えられます。

また、厚生労働省が発表している抗インフルエンザ薬の市場での流通状況とメーカー保有量では、2016年1月で合計約1,902万人分あります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/jichitai.html
罹患率が人口の1割なら備蓄しなくても十分賄えるし、2割だったとしても80%は賄えることになります。

全員一気に感染するわけではないことやワクチンもかなりのスピードで製造できるようになっていることから、もう国や都道府県での備蓄はいらないんじゃないかと思いますがどうなんでしょうかね。

まとめ

新型インフルエンザ、特に強毒型の世界的流行は常に意識して備えておかなければいけないと思います。

しかし、国が行っている抗インフルエンザ薬の大量備蓄は少しやりすぎなような気がします。市場流通分と国や県の備蓄分を合計すると2016年1月では約8700万人分もの抗インフルエンザ薬が日本にはあることになります。

備蓄を開始した時の抗インフルエンザ薬は、タミフルとリレンザしかなくて大流行すれば品切れとなる恐れがあったことから備蓄が必要であったのだと思いますが、今となっては複数種類が市場に多く出回っているので国や県でさらに備蓄する必要はないと感じます。

https://industrial-pharmacist.com/?p=768

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