間質性膀胱炎の治療薬として開発が進められているDMSO

強心剤の「ジゴキシン錠0.125錠」は、病院薬剤師会からの要望を契機に発売されました。

ジゴキシンは有効な体内濃度と有害な体内濃度が近いために細かく服用量を調節することが必要な薬です。そのため、以前はジゴキシン0.25錠しかなかったのですが、その半分の0.125mg錠が発売されたのです。

その例とは少し違いますが、病院薬剤師会から要望が出されてDMSOという化合物を間質性膀胱炎の治療薬として使用できるようにするための研究が進んでいます。

DMSOは溶媒してよく利用される薬品として化学界では広く知られていますが、まさか薬として使用できるものなのか!と思いました。私自身も大学時代によく使用したのを思い出して懐かしくなりました。

ということでこの記事ではDMSOについてとどのような病気の治療薬として研究しているのかについて紹介します。

病院薬剤師会からの要望内容

こちらから閲覧することができます。

一言で表現すると「50%濃度のDMSOを間質性膀胱炎の治療薬して使用したい」ということです。

アメリカなど海外では50%水溶液が薬として発売され、実際に治療に使用されているのに対して日本では販売されていません。

一部の病院では病院の中で50%水溶液を調整して治療に使用している施設もあるようなので、実績が全く無かったというわけではありません。ただこの場合、日本ではDMSOは薬ではないため健康保険は適用されずに高額な治療となってしまっていました。

DMSOについて知ろう

DMSOは、「Dimethyl sulfoxide:ジメチルスルホキシド」の略です。画像のとおりとても簡単な構造をしています。

DMSOは、多くの有機化合物を溶かしますので、色々な場面で溶媒として利用されます。ただ水にも混和しますので、化学反応後に目的物からDMSOを取り除くのがとても苦労することから、他の溶媒では溶けない化合物を扱う時に使用されます。

私は大学時代は有機化学を専攻していましたので、ちょくちょくDMSOを使っていました。また、私が扱っていた化合物は、よく使用される溶媒に溶けにくかったのもあって構造を同定させる特のNMR測定の際に重水素化したDMSOをほぼ100%使用していました。

その他、工業的には以下のような目的としてでも幅広く使用されている薬品です。

  • 電子部品洗浄剤
  • プラント洗浄剤
  • 医薬・農薬合成溶剤
  • 食品添加物合成溶剤
  • 重合紡糸溶剤
  • 抽出溶剤
  • 染顔料溶解剤

間質性膀胱炎の病態

間質性膀胱炎になる原因はよく分かっていません。通常の膀胱炎は細菌感染によって引き起こされますので抗生物質の服用で治りますが、間質性膀胱炎の場合は抗生物質では良くなりません。

昼夜を問わず襲う尿意で、1日に50回以上もトイレに行くこともあります。

膀胱に水圧をかけて膀胱を広げる治療などがありますが、どれも長期間効果が得られる物が無く新しい治療方法が望まれている病気です。

まとめ

工業的に様々な用途で使用されているDMSOは、私自身も大学時代に思い入れのある物質でした。最近では、効果ある治療法が無い間質性膀胱炎の治療薬として開発が進められています。

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