メンタルの病気、性病、婦人病・・・など、これらの病気で病院を受診したことは他の人には知られたくないもの。
家族にだってできれば内緒にしておきたい場合だってあると思います。
ましてや上司や人事部など人事処遇を決められる立場のある人や部署にはなおさら。病気にかかっていることがバレて不当な人事処遇を受けたり・・・。
もちろんこれは違法ですが、絶対にそれが無い保障なんてありませんから会社には絶対に知られたくありません。
結論はタイトルのとおりですが、会社は誰がどういった病気を持っているかはもちろんのこと、どこの病院を受診したのかなんてのは全く分かりません。
でも給料から「健康保険料」が天引きされているし、「医療費のお知らせ」だって会社で配られる、それなのにどうして?と疑問に思いますよね。
そこでこの記事では、病院受診した時の情報の流れ方、お金の支払われ方を理解いただきつつ、病院を受診することや病気のことがなぜ会社にバレないのかについて紹介します。
目次
健康保険を使って病院を受診する流れを知ろう
日本には、主に自営の方が加入する国民健康保険、中小企業が加入する協会けんぽ、大企業が加入する健康保険組合などの「健康保険」があって、日本国民なら必ずどこかに加入しなければいけません。
これら健康保険を運営している側を「保険者」と呼び、加入している人を「被保険者」と言います。(家族は「被扶養者」)
病院受診した情報やお金の流れは下の図とおりで、医療機関・受診者・保険者と適切に診療が行われたかを審査する「支払基金」の4者しか存在しません。
この一連の流れに会社が入っていないということは、医療機関や保険者から会社に誰がどこの病院を受診したかの情報がいくことは無いということです。
故意に情報を流せばもちろん会社に情報がいってしますが、病院や健康保険には守秘義務がありますから通常はありえません。
ちなみに支払基金は、医療機関での治療が適切な内容であるかの審査と医療機関と保険者をつなぐ橋渡し役を担っています。
受診した情報は会社にはバレませんが保険者は知っています
会社には病院受診が知られることはありませんが、加入している健康保険(保険者)には、誰がどの医療機関どのような検査や治療が行われたかは全て分かっています。
これは当然な話で、あなたが医療機関で払う自己負担以外の費用は保険者が支払っているためです。
ほとんどの場合、3割が自己負担で7割が保険者の支払いです。
支払基金が受診内容を審査をしているからといって、病院からの請求の内訳が分からないのにお金が払えるわけがありませんよね。
保険者から会社に受診情報が伝わっているのではという疑問
国保や協会けんぽはもちろんのこと、大企業が加入する健康保険組合であっても会社と保険者とは別の法人です。
医療機関の受診内容は、極めて慎重に取り扱わなければいけない個人情報であり、同意なしに勝手に他の人や組織に情報を教えることは個人情報保護法に抵触することなります。
私の仕事では、健康保険組合と一緒に社員の健康づくり施策の企画・運営していますが、私が健康保険組合の事務所に行っても事務所内には一切入れてもらえません。(電子セキュリティで鍵があきません・・・)
それほど個人情報には気を配っています。
会社は誰がいつどのような病気で病院を受診したかについて保険者からは知らされることはありません。
会社と健康保険組合とを兼務している人も同じです
大企業が加入している健康保険組合では、例えば会社で社員の健康管理をする私のような人、または人事部の人が、健康保険組合の職員とを兼任していることがあります。
この場合は、健康保険組合の仕事をする上で致し方なく医療情報を知ってしまう場合もあります。
ですが、これも守秘義務があって、健康保険組合の仕事で知った情報をアナタの同意なく勝手に会社の業務や評価に使用することはできません。
その辺りがきっちりとできる人が担当しているはずです。
医療費のお知らせの中身も会社は知りません
会社によりますが、数か月前に受診した内容が書かれた医療費のお知らせが会社で配られることがあると思います。
これは会社で作成されているわけではなく、保険者で作成されてそれを会社が代行して配っているだけです。
会社に届く段階で密閉されていて、記載内容が会社に知られないようになっています。
これは社員の健康管理に10年以上携わりその部門の管理職も担当している私が、社外病院の受診内容を知る方法が全くないことからも自信を持って言えることです。
健康保険料が給料から天引きされるワケ
健康保険料が会社の給料から天引きされているのを見ると、医療費のお知らせのように会社と健康保険が何もかもがつながっているイメージがありますよね。
そこも安心してOK。
それは、健康保険料は収入に応じて金額が一人ひとり違うためです。
健康保険は会社から給料情報をもらって健康保険料を計算して、各自が振り込みで保険料を支払わなくてもいいように給与天引きにしているというわけです。
受診情報はこの時には一切不要です。
しかし、会社が知っているあなたの健康情報もあります
会社には社員に毎年健康診断を受けさせる義務や結果が悪ければ精密検査をさせる義務があります。
これは問題なく仕事ができる健康状態かどうかを確かめるためです。
なので健康診断を受けたかどうかとその結果を会社は知らなければいけません。
この場合は、医療機関から直接会社に結果が送られるか、アナタを通じて結果を会社に報告することになります。
でもその後、精密検査の結果で定期的に病院受診することになった場合の治療内容については、会社はアナタから聞くほかは確認する方法はありません。
これまで説明してきたとおり、保険者からは会社に個人情報を提供することはありません。
必要以上に健康状態を知られることはないので安心してください。
でも今後はどうなるかは分かりません
実は、保険者には医療機関の受診情報や健診結果といったデータを利用して、加入者がより健康になるために必要なことを計画してそれを実行することが義務づけられています(データヘルス計画と言います)。
そして、それを加入する会社と一緒になって進めていくことが求められています(コラボヘルスと言います)。
会社側も社員の健康増進に投資(健康経営と言います)をしていく時代になりつつあるので、この先、会社と保険者との関係性が変わってくる可能性があります。
コラボヘルスを推進するにあたっては、厚生労働省も個人情報の取り扱いについては慎重になっていますが、悪いことをするような会社が出てこないことを切に願うばかりですね。
まとめ:必要な治療はしっかりと受けましょう
寝れない、不安が強い、ドキドキするなどメンタル系の病気で、病院受診が会社にバレて不当な扱いを受けるのでは?と気にして受診が遅れるケースをよくみます。
でもそんな心配は無用です。
会社には受診情報は一切バレませんし、たまたま知ってしまったとしてもそれを会社の処遇を行うことは許されません。
病気は早く治療を開始すれば治癒も早いもの。
手遅れにならないよう必要な治療は必ず行うようにしましょうね。
誰にも知られずに自宅で検査を受けられる方法がたくさんあるんで、気になる症状があれば活用してみてはいかがでしょうか。
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