海外から日本への薬の持ち込み・個人輸入に注意!グローバル企業の薬剤師が解説

business trip

前回の記事では、持病の薬や市販薬を海外に持って行く際に注意しなければいけないことを紹介しました。

何も準備せずに外国に薬を持って行こうとすると没収なんてケースもありますし、場合によっては逮捕や拘留も!楽しい旅行やスケジュールびっしりの海外出張の初っ端でそんな目にあいたくありませんよね。

外国に行く可能性がある方は時間のある時に一読しておくといいと思います。

https://industrial-pharmacist.com/?p=1108

そしてこの記事では、逆に外国に旅行や出張などで行き、現地で薬を購入して日本に持って帰る時や日本から海外に薬を持ち出して、残った薬を日本に持ち込む時について紹介します。

グローバル企業では、海外法人の従業員が日本に出張や駐在する際の注意点にもなります。また、薬を個人輸入する時も同じ点に注意が必要です。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=1215

どのあたりに注意が必要?

外国に薬を持って行く際の注意点を書いた記事で紹介したとおり、国によって薬物の規制が違うところです。

ADHD治療薬がいい例

発達障害のADHD(注意欠陥・多動性障害)治療薬が分かりやすい例です。

アメリカでは、ADHDの治療薬の一つしてアンフェタミンを使用することがあります。

アンフェタミンは日本では覚せい剤に該当し、どのような理由があろうとも日本国内で所持していると逮捕されてしまう薬物になります。

しかし、アメリカでは治療薬として認めらているため、医師から処方された治療目的分であれば所持してたり服用しても全く問題ありません。

この事例で日本に来ることになった時の対応方法

アメリカでADHD治療をアンフェタミンを行っている方が日本に来る場合は、残念ながら事前に日本に持ち込むことができる他の治療薬に切り替える必要があります。

繰り返しになりますが、日本ではどんな理由があろうとも日本国内でアンフェタミンを所持することはできないからです。

大麻でも同じことが言えます。大麻が合法な国や医療用大麻なら使用できる国があります。しかし日本では覚せい剤と同じく所持すらできませんから大麻は日本には一切持ち込むことができません。

この例のとおり薬物の規制は国によってバラバラですから、必ず自分が行く先の国の規制を確認して問題とならないようにする必要があるのです。

それが例え治療用だとしてでもです。

日本への薬を持ち込む際の規制を確認する方法

日本への医薬品の持ち込み規制は、厚生労働省ホームページにとても細かく掲載されています。

こんなに記載しているのは私の知る範囲では日本が唯一です。さすが日本って感じです。

この規制の詳細は後で詳しく紹介します。

http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/tp0401-1.html

ちなみに情報公開が進んでいるのは日本の次には、アメリカでしょうか。

薬を持ち込む際の規制は渡航先の規制が適用されます

これも繰り返しになりますが重要ですのでもう1回言います。

薬の規制は渡航先の規制が適用されます。渡航前の国の規制ではありません。

毒薬とか劇薬とか処方薬といった規制は日本での規制だということです。

外国では普通薬でも日本で毒薬なら、上記で紹介した厚労省ホームページの中の毒薬の項の内容を守らなければいけません。

日本では医療用の薬でも外国では市販薬で販売されているケースもあって結構複雑です。

日本に持ち込もうとする薬が普通薬なのか毒薬なのかなんてわかりませんから、厚労省ホームページに掲載されている厚生局に尋ねちゃった方が早いです。

持ち込もうとする薬について日本での扱いを確認する方法

厚生局に尋ねちゃった方が早いですが、自分で調べる方法もあります。

それは医薬品医療機器総合機構のホームページで、日本の医療用薬の説明書を検索できます。普通薬、毒薬、劇薬、向精神薬、麻薬のどの区分なのかが分かります。

http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html

①薬の名前を入力
では、例として高血圧の薬「ノルバスク」がどういった薬が調べます。

検索窓に「ノルバスク」と入力して「検索実行」ボタンを押してください。
kensaku
➁該当する薬を選択
検索結果が右側に出てきますから該当する薬を選択してください。
kekka
③規制を確認
左側のメニューの中から「規制区分」をクリックしてださい。そうすると右側に規制区分が表示されます。

ご覧いただいているとおり、ノルバスクは「劇薬」であることが判明しました。
kekka1

日本に薬を持込む時の規制の概略

内服薬の場合

市販薬でも毒薬や劇薬に分類される薬がありますので、持ち込む前に日本での規制の確認が必要です。

なお、1か月分とは処方薬であれば医師の指示した飲み方、市販薬であれば説明書に記載された飲み方をした場合です。

医師の処方が必要な処方薬

1か月分まで事前許可は不要で、それ以上の場合は厚生局の事前許可が必要です。

例えば、1日3回1回1錠服用する処方薬の場合は、事前許可なく持ち込める量は90錠以内となります。

但し、医療用麻薬は量に関係なく事前許可が必要、向精神薬は手で持ち込む時だけ1か月以上も事前許可は不要ですが、処方箋写しが必要となります。

医師の処方が不要な市販薬

2か月分まで事前許可は不要で、それ以上の場合は厚生局の事前許可が必要です。

例えば、1日3回1回1錠服用する市販薬の場合は、事前許可なく持ち込める量は180錠以内となります。それを箱に入っている薬の数で割って持ち込める箱数を計算してください。

外用薬の場合

外用薬も市販薬でも劇薬に分類される薬がありますので、持ち込む前に日本の規制の確認が必要です。

医師の処方が必要な処方薬

1か月分まで事前許可は不要で、それ以上の場合は厚生局の事前許可が必要です。

例えば、1日1回1回1枚服用する貼り薬の処方薬の場合は、事前許可なく持ち込める量は30枚以内となります。

但し、外用薬でも医療用麻薬や向精神薬がありますから内服薬と同じ対応が必要です。

医師の処方が不要な市販薬

箱数で24個まで事前許可は不要で、それ以上の場合は厚生局の事前許可が必要です。

24箱がどういった理由なのかは不明です・・・。

まとめ

外国に薬を持っていく時も日本に薬を持って帰る時も規制を確認しなければいけません。結局、国を越えて医薬品を移動させる場合はいつでも注意しましょうということです。

海外旅行や海外出張の場合に持って行く薬を必要最低限にすれば、悩むケースは少ないはずです。必要以上に持って行かないことが重要です。

外国で年単位で暮らす場合は、大量に薬を持って行きたくなる気持ちは分かりますが、いつどのように体調が悪くなるか分かりませんから薬を大量にあらかじめ用意しておくのではなくて、すぐに受診できる安全そうな医療機関を健康な内に探しておくのがベストです。
参考

http://www.jomf.or.jp/jyouhou/hospital/medical_institution/

yahoo知恵袋などの回答で、「ある国に行きたいけど薬は持っていけますか?」という問いに「どれだけでも持ち込めます」とかという回答を見ることがあります。というかほとんどの回答がそうです。

現実的に問題のある持ち込み方をしていても税関で気づかれて止められるケースは少ないく結果として知恵袋の回答が合っていることがほとんどだとは思います。

しかし本当はそうではないことを知っておいてください。

知恵袋の回答はあくまで私見ですので信用しすぎてはいけません。自分で責任をもって確認するようにしていきましょう。

薬を没収されたり、拘留や逮捕されて困るのはあなたですから。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=1108

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