この記事は私の黒歴史を語ります。
両親や兄弟はもちろん、友人・同僚など誰も知らない、真っ黒すぎて妻以外にはとても言えない話。
以前の私は株や不動産などへの投資には興味があったものの実際に取り組んでいたのは、会社が用意している貯蓄制度(財形貯蓄、拠出型企業年金)や持株会への投資くらいで積極的に行動はしていませんでした。
そんな私が投資というよりギャンブルに近いFXに、しかも自分で売買するのではなくコンピューターに全てを任せるシステムトレードに大金をつぎ込む暴挙に出て、とある夜に約300万円の大火傷を負い爆死した話をします。
状況が状況なら駅のホームからダイブするような事案であり、おっ広げるような話ではありませんが、他人の不幸は蜜の味。
こういう話って大好きでしょ?私も他人の話なら大好き(^_-)-☆なネタです。
ってことで、私のアホな行動の全貌を読んでいただき楽しんでほしくて記事にしました。
賢明な皆さんならやらないとは思うけど楽しむだけでなく同じことをしないよう反面教師にしてほしいなと思います。
さらにこの話はそれだけじゃありません。
実は私はそこら辺にいる普通のおっさんサラリーマンですが、2017年6月末でもって2期目の決算をする法人の役員でもあります。
しかもこの記事のネタであるFXのシステムトレードのために設立したんです。
アフィリエイトなどの副業で収益があったわけでもない普通のサラリーマンが法人設立をするご乱心具合も読んでいただき、決して真似されない教訓にしてほしいと思います。
目次
初心者がFXのシステムトレードを始めたきっかけ
薬剤師の資格だけでは何となく不安で、宅建に挑戦して合格してから、アパートを一棟買いする不動産への投資に興味を持ち、色々な方のブログを読むようになって、ある不動産投資家のメルマガを知って登録しました。
その方は、医師でもありながら何億円もの不動産を所有しているだけでなく、FXなど様々なものに投資をする大投資家です。
メルマガでも不動産投資以外の内容も盛りだくさんで、ある日「最低月利6%の投資案件がある。興味があれば直接会って説明する。」との案内がありました。
それまでの私であればネットで知った人と会うなんて考えられませんでしたが、どうしても不動産投資をしたかったのがあって月利6%案件というよりも不動産投資の大先輩の話を聞きたくて連絡を取って会うことにしたのです。
これが全ての始まりです。
説明会は有名ホテルの喫茶店で行われ、メルマガ主の方と元々知り合いだっと思われる医師3人も一緒に月利6%の案件の話を聞きました。
その案件は、この記事の内容であるFXのシステムトレードのことで、過去3年間の実績で月利6%以上、3年間で10倍になったというもの。
この時点では、3年で10倍は魅力的であったもののFXのことはほとんど知らないし興味は全くありませんでした。
しかし、説明会後に個別に相談した不動産投資について、2時間くらいもかけてとても丁寧に教えていただいたのもあって信頼感が増していきました。
さらに帰宅後、もらった名刺で名前をググるとある病院のホームページの医師紹介ページで顔写真付きでその方が掲載されているのを見つけ、信頼度がマックスになり次のように思うようになります。
「不動産投資で大成功している医師がおススメする投資案件なら絶対に安心だろう」、「不動産投資をするにも初期費用が必要だしこのFX案件で一気に稼いじゃおう」とね。
私が始めたFXシステムトレードとはどのようなもの?
海外の証券会社を使ってFXをする手法です。
それは国内のFXではレバレッジ規制があるため大きく賭けられないためです。
まずはシステムトレード使用料の30万円をその医師が保有する会社に振り込み、指定の海外の証券会社に口座を開設します。
そして指定の海外送金会社を経由して証券会社に10万円以上を証拠金として入金するとあとは自動的に運用してくれるものです。
取引はドル-円のみで、ADP雇用統計などのアメリカの重要な経済指標(このようなやつ)の発表後の一瞬の間に証拠金の全てをシステムが定めたレバレッジをかけて売買をするというものです。
経済指標の発表がある時しか売買しませんので1日1回も取引はなく、月に5~15回のみの売買で月利6%以上が叩き出されるもので勝率は95%以上です。
そして当然ですが証拠金が多ければ多い程、勝ち負けの金額が大きくなります。
システムトレード開始直後は大儲けだった
海外送金なんてやったことはありませんから、無事に入金されるのかという心配があったのでまずは10万円を入金しました。
その後、問題なく運用が開始され最初の触れ込みのとおり月利6%以上ありました。
アメリカの経済指標発表は日本では夜の内にありますから、酒を飲んだり寝ている間に600円、1000円と増えていきます。
勝率95%なので、たまには負けることがあるものの額は勝つ時と同じかそれよりも少ないため、どんどんと証拠金が増えていきました。
この時点の画像を取っておらず申し訳ありませんが、実績の参考として約300万円を溶かす直前の取引実績を貼っておきます。
証拠金が約300万円ありますから、月利6%の20万円近くが毎月儲かっていることが分かっていただけると思います。
【画像の見方】
取引結果が青字は勝ちを示し、赤字だと負けを示すので儲けは次のとおりです。
- (右)2016年2月:8回取引をして7勝1負で170,220円の儲け
- (左)2016年4月:8回取引をして8戦全勝で19,8580円の儲け
そして100万円を追加まで時間はほとんどかからなかった
証拠金が増えていくのはうれしかったのですが、やはり1回の儲けが数百円では物足りなくなります。
5倍入金すれば1回の勝ち金が5倍に増えますし、10倍なら10倍。
ほぼ毎回の取引で儲かるので、1か月もかからずに100万円を追加しようとしている自分がいて、気づいたらATMの前にキャッシュカードを持って立っていました。
ギャンブルって怖いよね。ギャンブル依存の気持ちが分かります。
そしてその後も順当に月利6%以上を達成し、この世の春を謳歌して半年くらいたった頃、頭の中に悪魔の囁きが聞こえてきます。
「もう100万くらい追加してもいいんじゃね?」ってね。
追加しない理由なんて、当時の私にはありませんでした。
ですがちょうどその頃、この案件を紹介いただいた医師から個人での申し込みを締め切り、今後は法人の申し込みだけになりますと連絡があります。
「法人?おぉそうか。100万円を追加するなら法人を作ってやった方がいいんじゃね?」って思うようになります。
あまりに儲かり過ぎて税金のことを考え始めるのです。
海外の証券会社での取引ですから一定の20%ではなく累進課税です。
儲ければ設けるほど税金が高くなります。
法人設立は疑うことのない順当な流れだった
何か月も月利6%以上で儲かるもんですから感覚が完全にマヒして次のように考えはじめていました。
「このままいけばFXだけで年収が数百万になるなぁ」、「年収が高くなることによる税金などの弊害をどうにかしないと」、「大きな利益をどうにかして節税しないと」ってね。
ありがたいことに私の勤め先の給料水準は高く、年収はサラリーマンなら誰もがまず目指すレベルの年収がありますので、FXで荒稼ぎしてしまうと税率が跳ね上がってしまいます。
同時に居住自治体からもらえる児童手当も極端に減額されてしまいますので、下手に収入を上げることは得策ではありません。
本当に安直に利益を法人と分散させれば税金を低くすることができると考えていました。
うまくいっている時は幸せなものです。
損するイメージを全く持っていなかったんですよね。
この儲けが永遠に続くと思っていました。
そして極めつけは、法人とは完全に節税にだけ使うものだと思っていたことです。
いとも簡単に法人が設立できてしまうのも災いでした。
簡単に起業できることは良いことなんですが、これが裏目にでました。
こうして無事(?)に法人を設立して、法人でシステムトレードを申し込み、個人での証拠金を減らして法人の方へシフトさせて運用しはじめます。
ちなみサラリーマンが副業で法人設立するには注意したい点がありますので、設立方法と一緒に別記事で紹介しますのでお楽しみに。
そして、ある晩に300万円が一瞬にしてなくなる
法人設立が2015年7月です。
その約1年後の2016年6月3日にXデーが訪れたのです。
取引結果を毎朝確認するのが日課でした。
忘れもしません、Xデーの翌日6月4日のことです。
当日は土曜日の大潮で、家族を連れて早朝から潮干狩りに出かけていました。
信号待ちをしていた時、ふと今日は取引結果を確認していないことを思い出しスマホで確認したところ、いつも見慣れない赤色、しかも桁がおかしいことで一瞬見ただけでは何が起こったのかわかりませんでした。
そしてすぐに信号が青になりスマホから目を離さないといけなくなります。
しかもこういう時に限って、信号は赤になってくれず再度確認することは困難でした。
ヤバい!ヤバい!マジヤベェ!!!
海外のFXだけに高レバレッジです。
一瞬確認した時の桁は、2億円のマイナスでした。
「どのくらいアサリが獲れるかな~」なんつって、家族には平然を装いますが、冷や汗ダラダラ、心は上の空、事故らなかっただけマシだったくらいでした。
フラフラになりながら潮干狩り会場の駐車場に即座に車を止めて、改めて取引結果を確認してみるとマイナスが2億円ではなく300万弱だったことにひとまず安心したのをよく覚えています。
300万円のうち100万円くらいは利益でしたから実質200万円くらいのマイナスです。
ですが、FX以外に同時に投資していた仮想通貨*もあって、そっちは24万円購入したものがこの日に売却できて160万円くらいで売却できたので、潮干狩りはなんとか十分楽しめたのを覚えています。
*「エターナルコイン(XEC)」という仮想通貨で、金融庁から業務改善命令を受けて2018年8月現在ではもう存在しません。
FXの方は、翌月曜日に証券口座にあまったほんの少しの残金を引き出して、1年以上続いた夢のような時間が全て終わりを告げます。
いや本当は少し前くらいからちょいちょい異変はあったんですよ。
例えば次の画像をご覧ください。
Xデーの7か月前の2015年11月の取引結果です。11月12日では64,000円のマイナスになっています。
負けは小さく勝ちは大きくがこのシステムトレードの特徴でしたから、これほど大きな負けはシステムトレードの限界を示すものだったのかもしれません。
さらには、ネットを調べまくると口座を開設した海外FX業者は金融庁からマークされていたこと、詐欺かもしれない被害にあったものもありましたが、なぜか「自分だけは大丈夫」と思ってしまってやめることができなかったのが後悔されるところです。
システムトレードで300万円を一晩で失った話のまとめ
FXの全くの初心者が、いきなりシステムトレードを行って大火傷を負ったハートフルな話をさせていただきました。
世の中には絶対はありません。欲に目がくらむとはまさにこのこと。
決してマネしないようにしてくださいね。
こうして法人一期目は、大赤字で決算を向かえ、個人でやっていれば払うこともなかった顧問税理士費用、法人住民税、その他法人設立に伴う諸費用などなどを負担しなければいけなくなったのです。
それに時間も無駄にしました。
法人は設立は簡単だけど、解散は面倒です。お金もかかります。
しかし、法人名を妻と一緒に色々考えて名付けたこともあって愛着があり、そう簡単には会社をたたむわけにはいきません。
持て余すのもアレなのでこのブログは法人で運営し、わずかばかりの収益は9年間赤字を持ち越せる法人の特性を活かしています。
そしていつか赤字が解消することを目標にがんばっています。
市販薬やサプリなんかを調べた時にこのブログにたどり着いた際には、リンクを踏んで買っていただけると荒ぶった心が安らぎます。
最後になりますが、投資・投機は自己責任です。
全ては自分の未熟性で赤字を出したまでです。適正にやめていれば黒字で終えることもできましたし。
なので紹介いただいた医師の方は全く恨んでおりませんし、今でも尊敬しメルマガを読んでいることを付け加えておきます。
この方は今でもメルマガで様々な投資案件を紹介しています。もし興味があれば問い合わせフォームやツイッターで連絡をいただければ具体的に教えます。
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