座りすぎは健康に良くないことは想像できますし、実際に腰痛やむくみなどの良くない症状を経験されている方もいるのではないでしょうか。
長時間の座りっぱなしの体への影響は多くの研究結果が発表されていて、全く問題なかったとする研究も一部あるようですが、ほとんどが健康に悪影響があると結論づけているものばかりです。
その中には喫煙と同じくらいリスクがあると言っている論文もあって、座りっぱなしの仕事もある意味過酷なんだと感じました。
でも仕事のために体を壊すなんて絶対にイヤですよね。
そこでこの記事では、ほとんど座ったまま仕事して、体に負担をかけ続けているサラリーマン、キャリアウーマンにお届けする、いつもの生活にちょっとした工夫をするだけで健康になれる簡単な方法を教えましょう。
目次
座りっぱなしによる体への具体的な悪影響
まず、座りっぱなしがどれくらい健康に悪さをするかを知ってほしいです。
ざっとまとめてみると次のとおりです。
- 総死亡リスクの上昇
- 冠動脈疾患死亡リスク上昇(心臓周辺の血管の不具合で起こる病気)
- 脳卒中のリスク上昇(脳の中の血管の不具合で起こる病気)
- 結腸がん、乳がん、子宮内膜がんのリスク上昇
- 太る
- 糖尿病のリスク上昇
- 血流悪化によるむくみ、下肢静脈瘤、疲れが取れない
- 腰痛や坐骨神経痛の原因
- 睡眠時無呼吸症候群の原因
- 自律神経失調症のリスク上昇
- うつ病のリスク上昇
- EDのリスク上昇
どうですか?
座り過ぎってにヤバすぎますよね。
過酷過ぎです。
座り過ぎることで運動不足で太る、それが糖尿病の一つの要因となり、心臓や脳の病気のリスクを上げ、最終的には死亡率を高める一連の流れが見えてしまって本当に怖いです。
また、疲れが取れないのはとても重大な問題です。
朝から元気に働く気力がなります。
そういった気分の問題で自律神経失調症やうつ病なんかにも影響するのでしょう。
さらには姿勢を悪くし腰痛や神経痛のリスクを上げ、崩れた姿勢が固定化されて睡眠時の呼吸にも悪影響を及ぼすことでしょう。
睡眠時無呼吸症候群自体も高血圧や糖尿病のリスクを高めるので、座り過ぎはどんだけ体に悪いんだって話です。
女性では、血流悪化によるむくみは気になることでしょう。
これも血流悪化による男性ホルモンバランスが崩れるためでしょう。
単に元気が無いだけならまぁ仕方ないかとも思いますが、円満な家庭にもヒビが入るかもしれない重要なことでもあります。
自分の健康へのリスクを背負いながら座りっぱなしの仕事するなんて社畜過ぎる!!・・・どんだけ~!と思いましたよね。
でも安心してください。
こうした座りっぱなしの健康リスクを回避するためにはどうしたらいいのかが、この記事の紹介したいポイントです。
ちょっとした工夫で解消できますからぜひ今日や明日から実践してみてください。
座りっぱなしの健康リスクを回避する研究結果
座りっぱなしの健康への影響を調べた様々な研究を統合して解析した研究の結果が、2016年に医学雑誌ランセットで報告されています。
ややこしいですね。
たくさんの同じ研究をまとめた論文のことで信頼性が高い研究とされています(システマティックレビューと言います)。
さらにランセットと言えば最高レベルの医学雑誌ですんで信頼度は激高です。
その研究の中身は、座りっぱなしが、ワースト1の健康リスクである「死亡リスク」にどれほど影響するかを調べたものです。
そして1日のうち、体を動かす時間がどれくらいあると死亡リスクが低くなるかを調べたもの。
ランセットで紹介された論文の内容
研究の概略と結果を箇条書きにすると次のとおりです。
【結果】
- 座りっぱなしの人でも身体活動をすれば死亡リスクが一般並みに下がる
- 逆にあまり座らない人でも身体活動をしなければ死亡リスクが高まる
【研究の概略】
- 16件の研究から100万人以上のデータを活用
- 長時間の座りすぎは、脳心臓疾患、がんのリスクを高めることで死亡リスクの上昇を確認
- 60~75分/日の身体活動している人は死亡リスクが増加しない
- 座位時間の増加と低い身体活動時間が重なると死亡リスクが増加
- 座位が4時間/日未満でも5分/日未満の身体活動者は最も死亡リスクが高い
- 座位が8時間/日以上でも60~75分/日以上の身体活動者は上記の人よりもリスクが低く、通常の人とリスクが変わらない
論文タイトル:Does physical activity attenuate, or even eliminate, the detrimental association of sitting time with mortality? A harmonised meta-analysis of data from more than 1 million men and women(全文を読みたい方はLancetのウェブサイトをご覧ください)
論文の内容を具体的に言うと
長時間座りっぱなしの人でも1日1時間程度の運動で、座り過ぎによる健康を害するリスクを解消できます。
もっとストレートに言えば、座り仕事の人は1日1時間の身体活動をしろってことです。
そうしないと命を削って会社に尽くすことと同じです。
自分自身の体のみならず家庭関係にも影響しかねません。
でも1日1時間の運動って大変!って思いましたよね。
大丈夫です。
簡単にできる方法をこれから伝授します。
働きながら1日1時間の運動をする方法
実は1日1時間の運動はまとめて行う必要はなくて細切れでも問題ありません。
また、ランニング、スイミング、テニス、ゴルフなど早朝や夜間、あるいは休日に時間を割いて行う活動でなくてもOKです。
じゃあどうすれば?
それは普段の生活にちょっとずつウォーキングを加えることです。
例えば、車でお店に行った時にとにかく近い所に車を止めようとしていませんか?
そうではなく、あえて一番遠くに駐車するだけで、同じ買い物をするにしてもウォーキングが追加されます。
また、会社にいる時は内線電話を使いますよね?
そんな時、もし時間が許されるならその電話はやめて相手の所まで行って直接話してみてはどうでしょうか。
ほんの少しのウォーキングにしかなりませんが積み重ねれば大きなものになります。
塵も積もれば山となるとはまさにこのこと。
この場合はウォーキングで得られる運動も大切ですが、何よりもface to faceで話すことによるコミュニケーションの深まり、職場の活性化にもつながりとても意味があると私は思っています。
今の時代、特に会社の中では人間関係が希薄になりすぎている所がありますから、面倒でもあえてコミュニケーションをとる行動をするは新鮮で良いことです。
直接話すことで思わぬいい話が聞けたり、電話やメールでは得られない体験がきっとあるでしょう。
その他の普段の生活に加えられるウォーキングの例
遠くの駐車場に止める話と内線電話を可能なら控える例を挙げましたが、他にも次のようなことでもいいでしょう。
通学・通勤や会社内の移動で、歩く時間は毎日絶対にある程度ありますので、下記で紹介するようなことを参考に普段の生活で1日合計1時間くらいになるよう工夫してみてください。
- 遠くの駐車場に止める
- 内線電話を控えて直接会いに行く
- メールを控えて直接会いに行く
- ちょっとした会議は立って行う
- コピーは自分で行う
- 自分でお茶の用意をする
- 駅のエスカレーターは使わない
- オフィスの下りのエレベータ・エスカレータは使わない
- 上りは3階くらいは階段を使う
- 家から駅、駅から会社は1本遠くの道を使う
- 電車やバスは一駅手前で降りる
- 昼食は少し遠くの店で食べる
- 帰り道は少し寄り道する
- 近くに複数コンビニがあれば遠くの方を使う
- 車を控えて自転車を使う
合計1時間を簡単にカウントする方法
細切れのウォーキングで良いと言っても今ってどれくらいやったっけ?となりますよね。
時間を計ってカウントすることは難しいです。
そこで、歩数計・万歩計で歩数を計ることをオススメします。
1000歩は10分のウォーキングに相当します。
1日6000歩程度を目指すと座りっぱなしの健康リスクを解消できるということ。
ちなみに厚生労働省としては、年をとった時に足腰が弱って寝たきりにならないよう男性は1日9,200歩、女性は8,300歩を目指しましょうとしておりますので、余力があればそれを目指すと良いでしょう。
ほとんどのスマホに内蔵されている歩数計アプリが便利ですが、常にスマホを持って移動するのが難しいことがあるので、できれば歩数計を購入した方がいいです。
時計に腕に着けておくだけで、歩数のみならず心拍数など様々な身体状況を計測・記録できるものもオススメです。
Apple WatchでもOK。
他にもおしゃれでいいものがたくさんあるんで、amazonなどを見てみてください。
ウォーキングアプリを使えばさらに得することも!
数多くあるアプリの中には、ウォーキングをするとポイント、割引券、商品がもらえるものがあります。
目に見えない健康リスクを下げるためにウォーキングをするのは、モチベーションが保てずに長続きするのが困難です。
モチベーションアップの一つとして「得できる」があると思います。
そのようなアプリをまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
座りすぎは健康にあまりよくないことが昔から研究されてきていますが、それらの研究を統合的に研究したシステマティックレビューで再確認されました。
座っている時間が短くても運動が短いと死亡リスクが高まる一方で、座っている時間が8時間以上でも1時間以上の身体活動があれば、座りっぱなしの健康リスクが帳消しになることも確認されています。
朝晩又は休日に時間を作って運動をするのは大変ですから、家と会社までの往復であったり会社の中の普段の生活に運動を加えられるとやりやすいですね。
健康は、健康を悪くしないと大切さってなかなか気づかないものです。
でも悪くしてからでは遅いことがたくさんあります。
健康は仕事をするにしても遊ぶにしても基礎となる優先度マックスのものです。
健康づくりは大変だし面倒で、長続きするのが困難ですが、楽しく続けられるアプリなども活用して、ぜひ自分のため家族のためにチャレンジしてみましょう。
また、太っていることは万病の元です。
ダイエットも一緒にチャレンジするとモチベーションも継続できるし、さらに健康度は上がりますよ!!
私は鉄道好きで酒たばこ嫌いな佐藤卓嗣です。やっぱり自家用自動車•オートバイの使用を控えて鉄道やバスなどがいいですね。私は酒たばこやらない運転免許を持っていないタイプの人間です。本来ならそれが一番健康的です。
佐藤卓嗣様
コメントありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
最近で、車社会の田舎の人より電車中心の都会の人の方が健康的と言われています。
日々の健康的な生活習慣の積み重ねが大事だと思います。
ぜひ続けてくださいね。