新しいタイプのアルコール依存症治療薬「レグテクト錠」

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2013年5月にアルコール依存症患者の断酒補助剤「レグテクト錠」が発売されました。

古くから断酒補助剤はありましたが作用の仕方に少し難がありました。このレグテクト錠は従来型の断酒補助剤の欠点がない全く異なるメカニズムで効果を発揮する画期的な薬です。

この記事ではレグテクト錠の詳細について紹介します。

発売時のメーカーのプレスリリース

日本新薬は、アルコール依存症患者の飲酒欲求を抑える日本初の断酒補助剤「レグテクト®錠333mg」を発売しました。

日本新薬は本日、アルコール依存症患者の断酒補助剤「レグテクト®錠333mg」(一般名:アカンプロサートカルシウム)を発売しましたのでお知らせいたします。

アルコール依存症は、常習飲酒の結果、自らの飲酒行動を制御できなくなった病態で、性別、年齢、職業等を問わず、お酒を飲む人なら誰でも発症する可能性がある疾患です。患者さんには飲酒に対して抵抗できない強い欲求が生じていて、連続飲酒といった病的な飲酒状態がみられるようになります。

治療の最終的な目標は、飲酒中心の生活から脱却し、お酒を飲まなくても健全な家庭生活や社会生活を送れるようになることです。ただ、アルコール依存症は治療の難しい病気であり、回復するには生涯断酒が必要と言われています。そのためには、専門の医療機関で治療を受け、自助グループに参加することも重要です。

「レグテクト®錠333mg」は中枢神経系に作用し、アルコール依存により亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで飲酒欲求を抑える日本初の薬剤です。国内で実施した臨床試験の結果、カウンセリングなどの精神療法や、自助グループへの参加をはじめとした心理社会的治療と本剤を併用することにより、プラセボ群に対して有意に高い断酒成功率(投与24週間後の完全断酒率)が確認されました。

本剤は、すでに欧米をはじめ世界24ヵ国で販売されていますが、国内では未承認であったため、2010年5月に厚生労働省から医療上必要の高い未承認薬として開発要請を受けた薬剤です。

当社は、「レグテクト®錠333mg」を発売し、医療現場にアルコール依存症治療の新しい選択肢を提供することで、アルコール依存症からの回復を願う患者さんやそのご家族、治療に携わる方々のお役に立ちたいと願っています。

日本新薬ホームページからの転載

従来型の断酒補助剤の短所とは

レグテクト錠が発売されるまでに使用されていた断酒補助剤はアルコールの分解を抑制させる薬で、ひどい二日酔いを強制的に発生させて「もう飲みたくない」と思わせるものでした。

私自身も経験ありますが二日酔いがひどすぎると「絶対飲まない」と心に誓い、その日くらいは断酒できるのですが翌々日には必ず飲んでしまいます。

きっとアルコール依存症の方(もしかして私も・・・)には、そのような薬ではあまり効果がないのかもしれません。罰則だけでは人間は行動しませんよということですよね。

レグテクト錠を知ろう

メカニズム:作用の仕方

レグテクト錠が体の中でどのように作用して効果を発揮するのかははっきりとは分かっていませんが、脳の興奮と抑制のバランスを元に戻す薬ということには間違えありません。

アルコール依存症の方は脳のバランスが興奮に傾いていると考えられていますので、レグテクト錠で脳の過活動を抑えることで効果が得られると考えられています。

特徴

従来型の断酒補助剤と違い脳に働いてお酒を飲みたいと思う気持ちを抑える薬です。

禁煙補助薬のチャンピックス錠と同じような作用の仕方です。

チャンピックス錠は気合いと根性だけで禁煙するのに比べて3倍禁煙成功が期待できる薬ですから、レグテクト錠の断酒効果もかなりのものではないかと考えられます。

また、上記プレスリリースにあるとおり、レグテクト錠は世界では25年くらい前から使用されており、厚生労働省から開発するように要請があった薬ですから従来型の薬よりは効果が期待できるものだと思います。

レグテクト錠は、医療用医薬品ですの医療機関を受診する必要があります。アルコール依存を扱う精神科を受診するのがいいでしょう。

副作用

起こる可能性が高い副作用は、頭痛、下痢、鼓腸、腹痛、知覚異常です。

また、抗うつ薬のように他の多くの脳に働く薬と同じように希死念慮を悪化させることがあるといわれていますので、過去に自殺未遂の経験があった方には避けなければいけません。

これまた脳に働く薬に良くある急に薬をやめると発生する退薬症候(離脱症状)は、レグテクト錠には無いようなのでこの点は安心して服用できます。

価格

2016年3月時点の薬価は1錠51.5円です。(2016年4月で薬価は変更になります)

服用量は1回2錠 1日3回の合計6錠ですので、一日約300円です。保険を使用して自己負担割合を3割とすると約90円になります。

ビール一本より安くとても経済的な薬です。

断酒の成否について

禁煙でも同じですが、薬はあくまで補助の作用しかありません。

断酒するぞというモチベーションが最も大きく、カウンセリングや断酒サークルといった治療も合わせて行うことが必要です。

さらに禁煙と共通するのが行動と飲酒がくっついている場合は、酒の代わりに何をするのかを考えることも必要です。

例えば風呂上りには絶対ビールを飲むことを長年継続しているとそれが体に染みついてしまっています。お茶にするとか牛乳にするとか酒ではない何かに変更することが必要です。

まとめ

レグテクト錠は、二日酔いを強制発生させる従来型の断酒補助剤と違って、お酒を飲みたい気持ちを抑える薬です。これまでの薬では断酒できなかった方に朗報かと思います。

海外での長年の実績があるので安全性は高いと思いますが、脳に効く薬のため思わぬ副作用に注意が必要かもしれません。今後どのような治療成績になるのかが気になります。

日本でこの薬を入手するにはアルコール依存症と医師から診断を受ける必要があります。

ダイエットなどを目的に入手しようと安易に海外の同じ薬を個人輸入するケースが結構あるようですがそれはおススメしません。海外の薬は粗悪品が混ざっていたり、ひどい副作用がおこった時の補償が無いためです。

この薬は精神科医師でなくても処方可能です。どうしても使用したい場合はまずはお近くのクリニックの医師に相談するようにしてください。
参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=1215

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