日本にはやせるための薬として、現在2種類が厚生労働省から承認されています。
一つは20年以上の歴史がある薬「サノレックス」という薬で、もう一つは2013年に承認された薬「オブリーン」という薬です。
このオブリーン、実は厚生労働省からは薬として認められているにも関わらず、5年経った2018年現在でも発売されていない薬なんです。
この記事ではオブリーンがどのような薬で、なぜ発売されていないのか詳しく解説したいと思います。
ちなみに世界ではもっとたくさんの薬がダイエット用に発売されており、それらの詳細を次の記事で紹介していますんで参考に読んでみてほしいんですが、薬でダイエットをするには少しリスクが高いものばかりです。
やっぱりダイエットは地道にすべきもので、大企業の社員向けに保健師が説明しているプロのダイエット手法を紹介した記事も一緒に見ていってくださいね。
オブリーン錠とはどのような薬?
- 商品名:オブリーン錠
- 成分名:セチリスタット
- 適応症:肥満症(ただし、2型糖尿病か脂質異常症を持っていて、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25kg/m2以上の場合に限る)
アメリカで市販薬としても販売されている「オルリスタット」(商品名:ゼニカル、アライ)と同じ分類・同じ作用の薬です。
オブリーン錠の作用の仕方・メカニズム
食事の脂肪や脂分はそのままでは体内には吸収されず、リパーゼという酵素で分解されて体に吸収されますが、オブリーン錠はリパーゼを働かせなくさせて、脂肪や脂分の吸収を抑える薬です。
その結果、体内に取り込まれるカロリーが減って、体重減少効果が期待できるものになります。
脂肪や脂分は1g当り9キロカロリーもありますから、吸収されないようにすればカロリー摂取量が減ってダイエットできるというわけです。
オブリーン錠の効果
服用すると1年後には3%弱の体重減少が期待できます。
また、あわせて血圧・脂質・糖の検査値の改善効果があったとのことです。
ダイエットすれば血液検査値が改善するので当然の結果とも考えられますが、それを実証した感じです。
3%の減量ですから体重80kgの人だったら1年後には、2.4kgやせるということです。
オブリーン錠の副作用
服用4週の間に60%の方に何らかの副作用が発現する薬です。
多くが下痢や脂肪便といった腸の関係の副作用です。
発生率「60%」は多そうに感じますが、他の薬でもそんなものなので特別に高い数値ではありません。
ですが、ですよ。
何気に記載しましたが、実は「脂肪便」というのがヤバイんです。
オブリーン錠は、脂肪や脂分を分解させなくする薬ですから、分解されなかった脂肪や脂分はそのまま便で排出されます。
これが「脂肪便」です。
何がヤバイって便が油状になるということ。
ひどい場合は、おならとウンコが一緒に出てしまって下着を汚してしまうという話を聞きます。
極めておそろしい薬です。
なぜオブリーン錠は発売されていないのか
オブリーン錠は、厚生労働省は薬として認めています。
でも承認から5年経つ2018年4月現在でも発売されていません。
その理由は、効果が低すぎて、値段がつけられないというもの。
健康保険が使って治療するに値しないということ。
バイアグラとか健康保険が使用できない薬は他にもありますし、製造承認されているわけですから発売できる状況にあるはずです。
でも発売しないということは、メーカーとしては健康保険が使えなければ売れないと判断しているのでしょう。
オブリーン錠に対する感想
たった3%しかダイエットできないのかというのが第一印象。
例えば、私の勤務先で保健師が行っているダイエットプログラムでは、6ヶ月間で参加者の平均でマイナス3%くらいは余裕で体重減少効果があります。
しっかりとプロと一緒にダイエット計画を立てて、きっちりとこなすことで十分なんです。
近くに保健師がいなければプロがサポートしてくれるサービスを使うのも手です。
パッと思い浮かぶのがライザップですが、値段が高すぎますよね。
そこでオススメなのが、Finc社が提供しているダイエット家庭教師。
ちなみに80kgの人の3%減は2.4kg減ですが、これをカロリーに直すといくつになるか分かりますか?
体重1kg当り7,000kcalで計算できますから、2.4kgは16,800kcalです。
これを1年で減少させればいいので365で割ると1日あたり46kcal減らせばいいことになります。
46kcalってどれくらいか分かりますか?。
毎日これくらい食事を減らすか運動をするだけで、オブリーン錠を服用するのと同じです。
病院を受診してお金を払ってたかがだ3%程度しかやせられないなら、日々の生活習慣を少しだけ変えることで十分かと思います。
ウンコをもらすかもしれない可能性をはらみながら服用するには、リスクが高すぎます!
まとめ
ダイエットを目的とした薬は、日本では2つ承認されています。
その内の一つ、2013年に承認された「オブリーン錠」は、効果が低すぎて値段が決められず5年経った2018年でも発売されていません。
理由は日々の生活習慣をほんの少し変えるだけで得られるダイエット効果と同じようなものだからです。
また、おならと一緒に油のようなウンコが出てしまうとても恐ろしい副作用のリスクも持っています。
効果の面、副作用の面、いずれの面でも不要な薬です。
ダイエットは地道にやりましょう。
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