ダイエット薬が日本で承認!でもその薬いるの?ってレベル


このブログ内でいくつかの記事で薬を使ったダイエットについて紹介してます。

日本には肥満治療薬として現在2種類が承認されており、一つは20年以上の歴史がある薬ですが、もう一方は2013年に承認された薬です。その新しい方の薬についてこの記事で紹介します。

参考

https://industrial-pharmacist.com/?p=393

名称・適応症

  • 商品名:オブリーン錠
  • 成分名:セチリスタット
  • 適応症:肥満症(ただし、2型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25kg/m2以上の場合に限る)

アメリカでは市販薬としても販売されているオルリスタット(商品名:ゼニカル、アライ)と同じ分類の薬になります。

オブリーン錠の作用の仕方・メカニズム

食事の脂肪や脂分はそのままでは体内には吸収されず、リパーゼという酵素で分解されて体に吸収されますが、オブリーン錠はリパーゼを働かせなくさせて、脂肪や脂分の吸収を抑えるという薬です。

その結果、体内に取り込まれるカロリーが減って、体重減少効果が期待できるものになります。脂肪や脂分は1g当り9キロカロリーもありますから、吸収されないようにすればカロリー摂取量が減ることが分かります。

オブリーン錠の効果

服用4週間でプラセボと比較して有意差を持って体重減少作用があり、1年後には3%弱の体重減少が期待できるとのことです。

また、あわせて血圧・脂質・糖の検査値の改善効果があったとのことです。やせれば、これらの改善効果が期待できるので当然の結果とも考えられますが、それを実証した感じです。

3%の減量ですから体重80kgの人だったら1年後に2.4kgやせるということです。

オブリーン錠の副作用

服用4週の間に60%の方に何らかの副作用が発現しており、多くが下痢や脂肪便といった腸の関係の副作用となっています。

なお「60%」は多そうに感じますが、他の薬剤に比べて特別に高い数値ではありませんので、その点はご安心ください。

何気に記載しましたが、実は「脂肪便」というのがやっかいなんです。
オブリーン錠は、脂肪や脂分を分解させなくする薬ですから、分解されなかった脂肪や脂分はそのまま便で排出されます。これが「脂肪便」です。

何がやばいって便が油状になるということです。ひどいとおならと一緒に出てしまって下着を汚してしまうという話を聞きます。極めておそろしい薬です。

実はオブリーン錠は発売されていません

オブリーン錠は厚労省は薬として認めて製造承認が与えられています。でも2016年2月現在でも発売されていません。

それは効果が低すぎて薬価をつけてもらえていないからです。健康保険が使用できないということです。バイアグラとか健康保険が使用できない薬は他にもありますし、製造承認されているわけですから発売できる状況にあるはずです。

でも発売しないということは、メーカーとしては健康保険が使えなければ売れないと判断しているのでしょう。

オブリーン錠への感想

効果の面

お金を払ってそれだけしかダイエットできないのかという印象です。

例えば、私が勤務する企業内診療所で行っている特定保健指導の結果では、6ヶ月間で参加者の平均でマイナス3%くらいは体重減少効果があります。

しっかりと保健指導をして、本人に納得してもらった上でダイエット計画を立てて、それをきっちりとフォローする体制を整えることでこの薬は不要になります。

ちなみに80kgの人の3%減は2.4kg減ですが、これをカロリーに直すといくつになるか分かりますか?

体重1kg当り7,000kcalで計算できますから、2.4kgは16,800kcalです。
これを1年で減少させればいいので365で割ると1日あたり46kcal減らせばいいことになります。

46kcalってどれくらいか分かりますか?。

食べ物の場合:バナナ半分、肉類30g、マヨネーズ小さじ1杯、砂糖大さじ1杯
運動の場合:カラオケ20分、ジョギング5分、水泳3分、ゴルフ15分、ハイキング10分

毎日これくらい食べ物を減らすか運動をするだけで、オブリーン錠を服用するのと同じです。

病院を受診してお金を払ってたかがだ3%程度しかやせられないなら、日々の生活習慣を少しだけ変えることで十分かと思います。

医療制度の面

オブリーン錠を使用できる方は、運動・食事療法を行ってもダイエットができない方のみです。

糖尿病の薬など他の薬も同じですが、実際それを守っている・やれている医療機関がどれほどあるのだろうという印象です。それに対する診療報酬が無いから真剣に取り組めないと思います。

厚生労働省もオブリーン錠のような薬を医療用で承認するくらいなら、運動療法や食事療法の診療報酬をつけられるようにしたらいいのにと思います。

そうすれば血圧の薬の脂質の薬も糖の薬も少なくなるかもしれませんし、脳卒中や心筋梗塞といった重症疾患が抑制されるかもしれませんから、高めのお金を払ったって長期的視点では十分元はとれると思います。

健康日本21や健康経営で、一次予防に力を入れている現在なら、なおさらかと思います。

まとめ

ダイエットを主目的とした薬は、日本では2つ承認されていますが2013年に承認されたオブリーン錠は健康保険が使用できない状況のため、3年経った2016年でも発売されていません。

理由は日々の生活習慣をほんの少し変えるだけで得られるダイエット効果と同じようなものだからです。また、おならと一緒に油上の便が出るというとても恐ろしい副作用もあり得ます。

効果の面、副作用の面、いずれの面でも不要な薬です。
ダイエットは地道にやりましょう。

https://industrial-pharmacist.com/?p=393

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