傷に消毒は時代遅れ!傷を早くキレイに治すのはモイストヒーリング(湿潤療法)

転んで膝をすりむいた、紙で指を切ってしまったなど、すり傷や切り傷への手当はどのようにしていますか?

傷ができたところをマキロンで消毒し、ガーゼや絆創膏を貼り「かさぶた」を作って治す方法ではないでしょうか。

この手当方法は「ドライヒーリング」または「乾燥療法」と言い、実は時代遅れな方法なんです。

傷の手当方法の新常識は、「水道水で傷を良く洗ってから専用の絆創膏かラップで覆って常に傷を湿らせてかさぶたを作らない」こと。

この手法は「モイストヒーリング」または「湿潤療法(しつじゅんりょうほう)」と言い、傷を早く・きれいに痛み少なく治せる方法として日本で広まりつつあります。

傷を消毒しないなんて「まさか!」とビックリすると思いますが、常識っていうのは常に変化するものです。

特に進歩のめざましい医療分野では。

しかも新常識のモイストヒーリングは病院を受診しなくても家庭でもできること知っていますでしょうか。

そこでこの記事では家庭でモイストヒーリングを行いたい時、具体的にどのように行えばいいのかを解説します。

家庭で行うモイストヒーリング(湿潤療法)の具体的なやり方

モイストヒーリングを行う方法は、次のたった4つの手順だけです。

一番重要なのはマキロンなどの消毒剤で絶対に消毒をしないこと。

  1. 傷口を水道水で洗い、砂などの異物をよく洗い流す
  2. ガーゼなどで押さえて止血する(にじみ出る程度ならそのままでOK)
  3. モイストヒーリング専用の絆創膏を傷口全体を覆うように貼る
  4. 夏は1~2日に1回、冬は2~3日に1回専用の絆創膏を貼りかえる

モイストヒーリングを行うための専用の絆創膏

モイストヒーリングは、カットバン、サビオなど普通の絆創膏では実施できません。専用の絆創膏が必要です。

一番有名なのが「キズパワーパッド」ですが、下記のとおり色々と種類があります。

どれも効果は同じですので、値段や発売されている形状で選択するといいでしょう。

  • キズパワーパッド
  • ケアリーヴ治す力
  • クイックパッド
  • ハイドロ救急パッド
  • バイオパッド
  • ハイドロウェット
  • アルゲキュア

どれがいいか迷う時は、一番古く実績の高い「キズパワーパッド」をオススメします。

キズパワーパッドの中にも形状に種類があるんでよく使うやつを選んでおくといいですが、必要な分だけを切って使えるんで大きいサイズを買っておき、傷のサイズに合わせて使うのもアリです。

傷の手当で消毒剤を使ってはいけない理由

消毒剤は細菌やウイルスをやっつける効果がありますが、人間の細胞にも悪影響が出てしまいます。

特に傷を修復しようとしている生きた細胞にも影響してしまって傷の治りが悪くなることが分かっています。

白く化膿しているなど確実に細菌などに感染している場合、または手術後など細菌感染をしてしまうと体に大きな悪影響がある場合を除いて傷口は消毒しない方がいいのです。

モイストヒーリングをしようが、ドライヒーリングをしようが関係なく傷は消毒してはいけないのです。

傷が出来たら消毒しなければという既成概念をぶっ壊す必要があります。

家庭の救急箱にマキロンは不要です。

あと日本の水道水は塩素消毒されているため、傷を水道水で洗うと消毒効果が期待できるのも理由の一つです。

モイストヒーリングで傷が早くキレイに治る理由

「傷が治る」とは、皮膚の細胞が増殖して傷がふさがることです。

まず皮膚に傷が出来ると血が出てきますよね。血が止まった後、透明な液体が皮膚からにじみ出てくるを見たことありませんか?

実はその透明な液は、皮膚細胞の培養液の働きをするんです。

なので、その液をなるべく長時間かつ大量に傷口にとどまらせておくことが早く・キレイに治すコツで、モイストヒーリングはそれを行う治療方法というワケ。

しかも治りが早いので痛みも少なくなる特典付き。

ちなみにドライヒーリングでは、かさぶたが邪魔をして透明な液が傷口にあまりとどめておくことができなくなるので傷の治りが悪くなってしまうのです。

しかも、かさぶたで均等に細胞増殖ができなくなるため、傷跡が残ってしまうこともあります。

傷が治ってから傷跡を治す薬もありますが、数か月という長期間使用してやっと傷が目立たなくなったかなぁくらいの効果しかありません。

傷跡が残ってしまわないようモイストヒーリングで手当できるといいですね。

家庭でモイストヒーリングができる傷/できない傷

モイストヒーリングの良いばかり紹介しましたが、なんでもかんでも家庭でモイストヒーリングができるものではありません。

まずは家庭でモイストヒーリングをするのに適する傷から紹介します。

  • 軽いすりキズや切りキズ
  • 軽度のやけど
  • あかぎれ・さかむけ
  • 靴ずれ
次に挙げる傷の場合は、いきなり家庭でモイストヒーリングをするのはやめておくべき傷です。

まずは医師の診察を受けるようにしてください。外科・形成外科・整形外科を受診するといいでしょう。

  • 範囲の大きい傷、深い切り傷
  • 動物からの咬み傷
  • くぎなどの刺しキズ
  • 深く裂けている傷
  • 範囲や程度がひどいやけど、低温やけど
  • にきび、とびひ

まとめ

日本で昔から行われてきた傷を乾燥させてかさぶたを作って傷を治すドライヒーリングよりに比べ、かさぶたを作らせないモイストヒーリングの方が早くキレイに痛みも少なく傷を治すことができます。

すり傷、切り傷、ちょっとした火傷など、軽い傷には、家庭でもモイストヒーリングをしてみてはいかがでしょうか。

モイストヒーリングは傷から出てくる透明な液体を閉じ込めておくことが重要なため、専用の絆創膏を家の救急箱に入れておくことをオススメします。

最も有名なのは「キズパワーパッド」

キズパワーパッドは大きさや形状が異なる物が複数販売されていますから、よく使いそうな形状のものか、切って使えるよう大きめのサイズを準備しておくと安心です。

あと、マキロンなどの傷の消毒剤にはメリットはありませんからモイストヒーリングをする/しないに関わらず、今後は買わないようにしましょう。

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