錠剤、カプセル剤、粉薬、シロップなど飲み薬が服用できる期限

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薬にも食品と同じように使用できる期限があります。

市販薬であれば箱に使用期限が記載されていますが、病院でもらえる処方薬には通常そのような記載はありません。

本日は、「飲み薬」について、いつまで使用できるのかを薬剤師の視点から紹介したいと思います。

目薬、点鼻薬、湿布薬などの外用薬の使用期限はこちらをご参照ください。

薬には開封す前の使用期限と開封後の使用期限があります。 この記事では目薬、点鼻薬、吸入薬、塗り薬、湿布薬などの外用薬の使用期限...
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薬の期限は有効期限ではなく使用期限

食品には、「賞味期限」と「消費期限」があるのはよく知られていると思います。

賞味期限は「その日までに食べないとおいしくないよ」という日付で、消費期限は「その日までに食べないといけませんよ。食中毒などの危険性がありますよ」という日付ですよね。

では薬ではどうでしょうか。

薬でいう期限とは、「有効期限」ではなく「使用期限」になります。

「その日までしか効果ない」のではなく、「その日までに使用しないといけませんよ。効果を保証しませんよ」という日付になります。

従って、薬の期限は食品でいう「賞味期限」に近いかと思います。

使用期限はどのように決まるのか

新しい薬は、薬になる候補を見つけた段階から厚労省に新薬として申請するまでの間に、高温多湿などとても一般家庭の保管状況よりも過酷な環境下でどれくらい持つのかの試験を実施して、使用期限を決めて発売します。

この段階での使用期限は、あくまで参考値ですから短めに設定されてます。

その試験当時に発売後でもメーカーでサンプルを通常の環境で保管して、実際に何年持つかが確かめられています。

これによって発売後に随時使用期限が延長されることはよくあることです。

抗インフルエンザ薬の「タミフル」は、発売当初の使用期限は1年だったのですが、現在では10年になっているのがいい例です。

薬の一般的な使用期限

保管方法

シロップ剤以外の飲み薬の保管方法は、直射日光が当たらず湿度が高くない室温で保管してください。

引き出しの奥よりも風通しのよい所の方がよりいいですが、これはそれ程気にする必要はないかと思います。

ちなみに薬の保管でいう「室温」とは、1~30℃のことを言います。

日本国内であれば室内はそれから外れることはそうないかと思いますが、北海道の冬など室温の範囲から外れることが多い場合は冷蔵庫で保管するといいでしょう。(冷蔵庫の温度は6℃前後)

錠剤、カプセル剤、粉薬の使用期限

薬自体の安定性や発売からの期間によって異なり、長いとタミフルの例の10年などとても長い使用期限のものもありますが、多くは2~3年となります。

ただ注意したいのは、この日付は製造日からの期間で、どれだけの期間がメーカー、卸、病院や薬局の在庫となっていたかにもよっても異なります。

通常は、在庫や流通で半年程度過ぎてしまいますので、飲み薬の使用期限はあなたが入手してから「約2年」と思っておけばいいでしょう。

シロップ剤の使用期限

赤ちゃんなど乳幼児を中心に使用するシロップ剤は、原液であれば使用期限は他の飲み薬と遜色はないのですが、病院や薬局から入手するものは、水で薄めていることが多く細菌繁殖をすることがあります。

従って、シロップ剤の使用期限は1週間と考えてください。

また他の飲み薬と違って、少しでも細菌繁殖を抑えるために冷蔵庫で保管しておく方が安全です。

なぜ病院や薬局では使用期限を教えてもらえないのか

家での保管を避けるため

一番の理由は、処方を受けた薬で症状が治った後にずっと保管しておいておき、次に同じような症状が出た時に再度服用するのを防ぐことが大きいためです。

このような記事を書いておきながら矛盾していますが、処方薬は医師の診察の元に服用しなければいけない薬のため、症状が出たならその都度医師の診察を受けてそれに合った薬で治療すべきなのです。

しかし、風邪、生理痛や花粉症など毎回受診することもない症状もあります。
そような場合は、症状が治ったら余った薬はとっておいて次の機会に服用してもいいのかもしれません。

また最近では、吐き気止めの「プリンペラン」や整腸剤の「ビオフェルミン散」などでは、薬の包みに使用期限が刻印または印刷されていることがあります。

遠隔医療の記事でもそうですが、医療の考え方に少しずつ変化が出てきている証拠なのかもしれません。

参考

テレビ電話などのツールを利用した遠隔医療は、1997年に厚労省から通知が出されており、実際に薬の郵送まで実現されている例もあります。...

保管した処方薬を服用する際に注意したいこと

上記のとおり、毎回受診する必要がない症状があるのは確かですが、まれに違う原因と同じ症状が出ていることがありますので、使用期限内だからといって自己判断で服用し続けるのは危険な場合があります。

毎回受診できるのがベストですが、もし保管してある薬を服用するのであれば、3日程度服用しても症状が改善されない場合は服用をやめて受診するようにしましょう。

また、家に保管してあった薬を自己判断で服用して重大な副作用が起こった場合はとしても厚労省の「医薬品副作用被害救済制度」は適用されないことにも注意が必要です。

参考

飲み薬を包装から取り出してしまった時の使用期限

これも薬によって異なりますが、空気中の水分で溶けてしまったり、光に極端に弱かったり様々です。
袋を開封したり、包装から取り出してしまったらその日までとしておいた方が安全です。

市販薬の使用期限

市販薬は症状に合わせて自己判断で服用する薬ですので、使用期限内であれば説明書をよく読んでから服用してください。

また使用期限は箱に記載されているため、包装箱は捨てないようにしてください。
箱には簡単な服用方法と注意事項も記載されていることからも捨てないようにしてください。

使用期限を迎えると薬はどうなるのか

飲み薬は腐ったりするものではなく、有効成分などが分解してしまって期待される効果が得られなくなる、予想外の副作用が出てしまうことになり得る時期が使用期限になります。

但し、使用期限を迎えた瞬間にそのようなことが起こるわけではなく、徐々に分解されていくため正直なところ、多少使用期限が切れてしまっていても問題はないと思います。

明らかに飲むのをやめた方がいいのは、元々の薬の色とは違う、固まっている、溶けているなど見た目が変わってしまっている場合になります。

まとめ

シロップ剤以外の飲み薬の使用期限は、保管方法が適切であれば入手してから約2年と思っておけばほぼ間違えはないです。シロップ剤は入手してから約1週間と考えてください。

病院でもらう薬を保管しておき、次の機会に服用することはそれなりのリスクもあることも注意が必要です。

参考

薬には開封す前の使用期限と開封後の使用期限があります。 この記事では目薬、点鼻薬、吸入薬、塗り薬、湿布薬などの外用薬の使用期限...