発想の転換 副作用を活用した市販の睡眠薬 薬剤師のおすすめ品を紹介

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明日は重要な会議や出張などイベントで早く寝なければいけないけど、逆にその気持ちが強すぎて寝れない!ってことありますよね。

小学生の頃の遠足や修学旅行前のアレです。

また世界を飛び回るビジネスマンであれば時差ボケでなかなか睡眠リズムを整えることができないってこともおると思います。

そういった場合、病院を受診して睡眠薬を処方してほしいと医師に頼めば、その願いを叶えてくれることも多いとは思いますが、睡眠薬の多くは「向精神薬」という分類で依存性に考慮すべき薬であるため、そう気軽に服用するものではありません。

また、病院で処方してもらう必要がある睡眠薬は、本当は「不眠症」という病気と診断を受ける必要があり、日本睡眠学会では不眠症は睡眠に関する障害が1か月以上続かなければならないと定義されています。

冒頭で紹介したような一時的な不眠や通常は不眠ではないけど無理やり寝たいという場合には、病院で処方してもらう睡眠薬を服用することは適しません。

では気軽に服用できる睡眠薬はないのでしょうか。そこで活躍するのが市販薬です。

市販薬の「催眠鎮静剤」は、病院で処方してもらう睡眠薬とは異なって、市販薬としてよく使用する薬の「ある特徴」を利用したものです。

ということでこの記事では、市販の催眠鎮静剤の「ある特徴」を紹介しつつ、私がおすすめする薬を紹介したいと思います。

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まずは不眠症について知ろう

日本睡眠学会では不眠症とは次のように定義されています。

寝つきが悪いということだけではなくて、夜中に起きてしまって寝れなくなってしまう、朝早く起きてしまうということも不眠症の仲間で、それが長期間にわたって高頻度で発生することが必要です。

重要なのは睡眠での満足度は人それぞれ違いますから、単純に睡眠時間が短いというだけでは不眠症にはならず、苦痛を感じるとか日々の生活に支障きたす場合だけが不眠症ということになります。

逆に他の人なら普通の睡眠時間でも本人が苦痛に感じて仕事などに支障を及ぼすのであれば不眠症となる可能性があります。

  • 夜間中々入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかる入眠障害、一旦寝ついても夜中に目が醒め易く2回以上目が醒める中間覚醒、朝起きたときにぐっすり眠った感じの得られない熟眠障害、朝普段よりも2時間以上早く目が醒めてしまう早朝覚醒などの訴えのどれかがあること。
  • そしてこの様な不眠の訴えがしばしば見られ(週2回以上)、かつ少なくとも1ヵ月間は持続すること。
  • 不眠のため自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること。
  • なお精神的なストレスや身体的苦痛のため一時的に夜間良く眠れない状態は、生理学的反応としての不眠ではありますが不眠症とは言いません。

次に市販の催眠鎮静剤の「ある特徴」について知ろう

市販の催眠鎮静剤は、実は副作用を逆に利用した薬なのです。

風邪薬や鼻炎薬を飲んで眠くて仕方なかったという経験はありませんでしょか。これに関しては感じ方は人それぞれですから何ともないという方もおられるとは思いますが、風邪薬や鼻炎薬の説明書には眠気が出る可能性が高いので車の運転や機械の作業をしないように注意が書かれています。

もしお手元に風邪薬や鼻炎薬があれば説明書を見てほしいと思います。

例えば私のおすすめしている風邪薬である「パブロンSゴールドW錠」の説明書を見てみると「してはいけないこと」に眠気のために車の運転などはしないように注意が書かれています。
paburon setumei
この注意書きはパブロンSゴールドW錠だけでなくて、全ての風邪薬と鼻炎薬に書かれているといっても過言ではありません。

唯一といってもいいくらいの例外としては、私のおすすめ鼻炎薬の「アレグラFX」には、眠気の注意事項は書かれていません。私の知る範囲ではアレグラFXだけだと思っています。

風邪薬や鼻炎薬で眠くなる理由

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状に使用する「抗ヒスタミン薬」が理由です。

ヒスタミンという物質は脳内で覚醒維持をするのに重要な脳内神経の伝達物質ですから、その働きを抑えてしまう抗ヒスタミン薬を服用していしまうと眠気が生じてしまうのです。

抗ヒスタミン薬を服用する本来の目的は花粉などによって発生するアレルギー反応を抑えるためですが、薬が脳にも作用してしまう目的外の作用である副作用によって眠気は引き起こされます。

このことは昔からある古いタイプの抗ヒスタミン薬で起こりやすく、アレグラなどの新しいタイプの薬では工夫がなされていて副作用が起こりにくく改良されています。

市販薬の催眠鎮静剤は、古いタイプの脳への副作用が起こりやすい抗ヒスタミン薬を利用している薬なのです。発想の転換です。

市販の催眠鎮静剤の注意事項について知ろう

催眠鎮静剤で対処できる症状は、一時的に寝つきが悪い状態という意味の「短期的入眠障害」のみです。

もし、寝つきの悪さが3週間以上続く時や夜中に起きてしまうなど、上記の不眠症に該当するような状態になってしまうようだったら市販薬で対処せずに精神科や心療内科を受診することが必要です。

また抗ヒスタミン薬を服用することになりますから薬効が重複してしまう風邪薬、鼻炎薬と一緒に飲むのは避けた方がいいです。

さらに痛み止めの中には気分を落ち着かせる成分が入っていることがあり、催眠鎮静剤と成分が重なることがあります。鎮痛剤によっては一緒に服用はしない方がいいものがありますから説明書をよく読みましょう。

なお、私がおすすめする痛み止めであれば一緒にのんでも全く問題ありません。

頭痛、生理痛や歯痛などで急に体のどこかが痛くなって市販の痛み止めを買いにドラッグストアに駆け込んだことがあると思います。 痛み...

おすすめの催眠鎮静剤

「ウット」を最もおすすめします。

これまで説明した抗ヒスタミン薬に加えて、気分を落ち着かせる鎮静剤が2種類が高用量が配合されていて十分な効果が期待できます。抗ヒスタミン薬だけって催眠鎮静剤もありますから、ウットはそういった薬よりかは遥かに効果が高いと予測されます。

番外編 サプリメントでもおすすめ品があります

サプリメントの「メラトニン」もおすすめします。

メラトニンとは脳の松果腺から分泌されるホルモンで睡眠と深く関連していて、夜はメラトニンの血中濃度が高くなって眠気を誘いますし、逆に昼間はメラトニンの血中濃度が低くなって覚醒状態を保つ仕組みになっています。

動物の場合も同じで、夜行性の動物の場合はメラトニンの分泌量は逆で、夜少なくて昼間は多くなります。

メラトニンのサプリメントは日本では販売されていませんが、海外ではサプリメントとして販売されていて誰でも簡易に入手でき、不眠サポートに用いられるほか、時差ボケの解消にも利用されています。

今後の研究次第では変わる可能性がありますが、現在のところはメラトニンのサプリメントは副作用はなく安心して摂取できるとされています。

ちなみにメラトニンと同じような働きをする薬が日本では睡眠導入剤「ロゼレム」として販売されていますので、メラトニンをサプリメントで補充することは決して間違った方法ではありません。一度試してみる価値有りです。

このブログで、脂質異常症治療薬「ロトリガ」は、サプリメントで十分同じ効果が得られるし価格も安いことをお伝えしました。 この記事...

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セルフメディケーション税制は、市販薬の購入費で税金が安くなる制度です。

「セルフメディケーション」は、英語で「自分自身」という意味を持つ「self:セルフ」と「薬物療法」という意味を持つ「medicati...

この記事でおすすめした市販薬が、セルフメディケーション税制の対象になるかどうかを紹介します。

対象になる市販薬は「○」、対象にならない市販薬は「×」で示します。

市販薬名 対象
ウット ×

※2016年8月18日時点

まとめ

翌日に大事な会議などのイベントを控えすぐにでも寝たいという場合や海外出張で時差ボケになってしまった場合など、薬を使用してでも寝たい時があると思います。

病院で処方してもらう睡眠薬は強制的に眠りにつかせるために効果は抜群なのですが、使用できる状態の方が限られますし依存性も考えられるため気軽な服用は避けるべきです。

そこで活躍するのが市販の催眠鎮静剤です。

古くから鼻炎薬として利用されてきた成分の副作用を逆に利用した薬で、使用実績が豊富ですから服用リスクもあまりなくて気軽に利用できると思います。

またメラトニンという体内ホルモンのバランスで睡眠は調整されています。

外国製にはなってしまいますが、メラトニンサプリメントを服用してみるという手もアリかもしれません。

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