顔にできるニキビは目立つし、とても気になりますよね。
おっさんになった私でもそうですから20代の方ならなおさらでしょう。
ニキビの原因は「アクネ菌」という細菌が、毛穴の中で増え過ぎてしまって炎症が起きたりや膿がたまってしまう病気です。
「だったらアクネ菌を退治したらにきびは治るね。菌をやっつける薬で治療しよう。」というとそう簡単なものではありません。
ニキビの治療方法は、アクネ菌を退治するだけではなく、アクネ菌が増えやすい環境を治すことも必要となります。
そこでこの記事では、厄介なニキビを治すために敵を知るところからまず解説し、次にプロアクティブなどの化粧品とニキビ用の薬との違い、最後にニキビに効くオススメ市販薬を紹介します。
さらにニキビをすぐに治すのは難しいので、急な用事に時にすぐ隠せる方法もお伝えします。
目次
アクネ菌とはどのような細菌？
アクネ菌は全ての人の毛穴にある皮脂腺に住み着く「常在菌」と呼ばれる細菌です。
アクネ菌は、毛穴にある皮脂腺の皮脂をエサとして食べて、グリセリンと脂肪酸に分解します。この2つの成分は保湿効果があると共に「酸」という名前がついているだけに肌を弱酸性に保つ働きがあって肌に必要な成分です。
通常は、皮膚の免疫力によってアクネ菌は増えすぎず減りすぎずの状態で、人と持ちつ持たれつの関係にあります。まさにWIN-WINの関係であり、人にとってはなくてはならない大切な存在です。
なにごともやり過ぎはよくないのと同じで、肌に必要なアクネ菌も増えすぎるとニキビとなって肌に悪影響を与えてしまうのです。
ニキビの要因、できやすい環境
ニキビが発生する要因は完全には解明されてはいませんが、おおよそ次のとおりとされています。
体を作るのに重要な役割を果たす性ホルモンは、仕事などですごく疲れた、風邪などで体調不良、生理などでホルモンバランスが崩れてしまうと皮脂の分泌量が増えてアクネ菌が増殖しやすい環境になります。
増えすぎた皮脂は毛穴を詰まらせ密閉空間を作ります。
酸素がない密閉空間が好きなアクネ菌には、エサの皮脂がたくさんある天国なような環境ができあがってしまいます。
こうして詰まった毛穴の中で増殖したアクネ菌によって炎症が起こったり、化膿が起こるのが「ニキビ」ということになります。
ニキビの種類（白・赤・黒・黄）と成長する順番
「白ニキビ」、「赤ニキビ」、「黒ニキビ」、「黄ニキビ」とか聞きますよね。
一晩の間に一気に成長することもありますから気づいたら赤ニキビなんてこともありますが、ニキビは基本的には次の順番で育っていきます。
- ホルモンバランスの崩れで毛穴が詰まる（白ニキビ）
- 皮脂が毛穴からあふれて表面が酸化して黒くなる（黒ニキビ）
- 毛穴の中でアクネ菌が大増殖して炎症が起こる（赤ニキビ）
- さらに繁殖して膿が溜まる（黄ニキビ）
逆に赤ニキビや黄ニキビはかなり奥の方まで浸透していますからつぶしてしまうと跡が残ってしまう可能性が高いです。治りも悪いですしね。
ニキビの治療や予防をする重要ポイント
ここまでで解説したニキビが起こる原因を考えるとニキビの治療や予防を行うポイントは次の3つであることが分かります。
実は、テレビCMでお馴染みの「プロアクティブ」や他のニキビ用の化粧品もこの観点で作られているんですよ。
- アクネ菌を減らす
- 皮脂の分泌を少なくする
- 毛穴がつまらせないようにする
ホルモンは皮脂にだけでなく体のあらゆる所に影響しますから、効果とリスクを天秤にはかるとにニキビのためにホルモン療法する選択は少ないでしょう。
ニキビ治療薬ではなく、プロアクティブなどのニキビ用美容商品が人気なワケ
ほんの数年前まで日本で発売されているニキビの薬は、アクネ菌を退治する薬しかありませんでした。
海外ではかなり前からニキビ治療・予防に大切な3つのポイント全てにアプローチする治療が行われていたにも関わらずです。
そこでプロアクティブなどのニキビ化粧品や一部の美容クリニックでは、アクネ菌を減らす以外の海外で実績のある成分や治療方法が使われてきました。
それがよく知られている「ピーリング」という方法で、皮膚の表面の角質をはぎとりアクネ菌が増えにくくする肌環境を作るものです。
そのため、アクネ菌を減らすだけのニキビ治療薬では症状が良くならなかった方は、ニキビ用化粧品などでピーリングをするしかニキビを改善させるアプローチ方法がなかったのです。
でも今は違います。
日本でもピーリングができるニキビ治療薬がある！
海外からはかなり遅れをとりましたが、日本でも皮膚科医師が処方する医療用の薬で、アクネ菌を退治する以外の肌環境を整える薬が発売されはじめています。
しかもプロアクティブや美容クリニックに行かなくても健康保険を使い格安で治療できるようになりました。
例えば、プロアクティブでは1か月あたり7～8000円もしますが、毛穴を詰まらせないようにする医療用薬「ディフェリンゲル」では、健康保険を利用すると1か月あたり1000円くらいです。（値段は1回の使用量で変わります）
驚きの安さですよね。
市販薬のニキビ治療薬ではアクネ菌を退治する薬しかない
花粉症では市販薬がとても充実していて病院を受診するのと同じ内容の治療が市販薬で行えますが、ニキビは残念ながらそうではありません。
ニキビが治療できる市販薬は、相変わらずアクネ菌を減らすものしかありません。
顔に1個だけ白ニキビや黒ニキビがある軽症の方には市販薬で治療もいいでしょう。
ドラッグストアにニキビの薬を買いに行ってもたくさん売られていてどれを買ったらいいのかが分からなくなると思いますので、15年以上の経験を持つベテラン薬剤師がオススメの一品を紹介します。
ニキビに効くオススメ市販薬
「ペアアクネクリームW」を最もオススメします。
殺菌作用が強いイソプロピルメチルフェノールがアクネ菌を退治し、赤くなったニキビにはイブプロフェンピコノールが炎症を抑えて見た目の症状を和らげます。
「イブプロフェン」という名称がついているだけあって、市販薬の「イブ」などで使用されている痛み止め成分を改良した成分です。痛み止めは、痛みを抑える他に熱を下げる効果と炎症を鎮める効果もあるためです。
イブプロフェンピコノールは、皮膚科医師が使う医療用薬としても多く使用されているのもオススメポイント。
はじめは白いクリームですが、使うと透明になり目立たなくなるなど使用感も抜群です。
なお、にきび治療にオロナイン軟膏を使っている方が多いようですが、殺菌力の強さでいったらペアアクネクリームWの方が上ですし、オロナインは水に濡れると白くなるので雨の日に顔に塗って出かけたら大変！
市販薬を試してみても全然治らないとか、たくさんニキビができてしまう方は、肌環境を整える薬も一緒に使った方がいいので皮膚科受診をした方がいいでしょう。
ペアアクネクリームWは、軽症の方向けの薬です。
一時的にニキビを隠す方法、目立たなくする方法
ありきたりですがメイクで目立たなくするか、マスクをするかしかありません。
写真撮影や合コン用でということであればマスクはダメですからメイクで何とかするしかないです。
コンシーラーを使わない方法として、毛穴を隠す化粧下地の上にキメの細かいフェイスパウダーで仕上げると光が拡散して顔全体が明るくなりますからニキビが目立たなくなります。
液体のファンデーションを塗りまくるとただの厚化粧になりますからご注意を。
男性の場合はメイクを基本しませんからオーソドックスにコンシーラーを使うといいでしょう。
アマゾンで高評価の男子用コンシーラーがあるので試してみる価値アリです。
セルフメディケーション税制の対象品
市販薬を購入すると税金が安くなる「セルフメディケーション税制」という制度が2017年1月から始まりました。
対象になる市販薬は「○」、対象にならない市販薬は「×」で示します。
| 市販薬名 | 対象 |
| ペアアクネクリームW | ○ |
まとめ
男女問わず最も多い肌トラブルであるニキビ。
ストレスなどによりホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌量が増えて毛穴を塞ぎ、そこでアクネ菌が増えすぎてしまい炎症や化膿により症状がでます。
アクネ菌の退治、皮脂の除去、毛穴の詰まりを取る3つが治療のポイントです。
軽症ニキビであればアクネ菌を退治する市販薬で解決できるとは思いますが、顔に複数個ニキビが同時にできるなどの症状が少し重い方は、皮膚科受診をオススメします。
プロアクティブなどの高価な化粧品を使わなくてもピーリングができる薬が発売されているためです。健康保険が使えるので安く治療できるところも見逃せません。
急なデートなどですぐにニキビを目立たなくするにはメイクしかありません。
女性はキメの細かいファンデーションで光を散らすことである程度隠せます。男性はメンズ用コンシーラーが役立つでしょう。
にきび治療薬以外の他の薬効でのおすすめ市販薬は次のリンクか、画面上部のメニューボタンからどうぞ。
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