口内炎と便秘は同じ治療?薬剤師が口内炎と細菌の関係性を紹介

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口内炎は皆さんも1回はなったことがあると思います。私も数か月に1回はほっぺたの裏に白い丸いアレができます。

地味ながらも痛みが強くてご飯もおいしく食べれなくなり、生活を苦痛にさせる厄介者ですごくイライラしますよね。

誰もがなったことがある病気であり、治療薬の効果もイマイチであることや一度なってしまうと完治するまでに1~2週間くらいかかってしまうためか、塩を患部に塗るとか民間療法がたくさんあって皆さん口内炎に四苦八苦している様子が見て取れます。

そうさせるのは、口内炎が発生する原因がはっきりと分かっていないのも理由の一つだと思います。

この記事を作成するにあたって口内炎治療を取り上げてるブログやサイトもいくつか見ました。

個人ブログも企業が運営しているサイトも同じような治療方法が紹介されているわけですが、本当にソレって効果があるんだろうか、口内炎的にはいいかもしれないけど口全体や体全体のことを考えたらあまりよくないなぁという感想をもちました。

そこでこの記事では薬剤師的におすすめの治療薬とやらない方がいい治療についての紹介を行っていくのに加えて、他のブログやサイトで紹介されている考えとは少し違った切り口で口内炎の治療・予防方法もお伝えします。

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まずは口内炎の種類について知ろう

一言で「口内炎」といってもいくつかの種類があります。

舌や歯茎、頬の裏が赤くなったり、白くて丸いヤツができる口内炎は、「カタル性口内炎」や「アフタ性口内炎」と言われる口内炎で、これは市販薬で治療することができます。

この記事ではこの口内炎についてをピックアップして紹介していきます。

それ以外に多いのはカンジダ菌やヘルペスウイルスによる感染性の口内炎です。この口内炎は医療機関を受診するしかありません。受診先は、歯科医院か大病院なら口腔外科になります。

カンジダ菌は舌全体が白っぽくなりますし、ヘルペスは水ぶくれが複数できるのが特徴的な症状ですから、患部の状態からある程度判断できると思います。

内臓の調子が悪いとか他の病気にかかっていて、その症状の一つとして口内炎を発症しているということもあります。

どんな治療を試しても1か月以上口内炎の状態が全く良くならない、逆にひどくなる時は、病院を受診して他の病気がないかチェックしてもらってください。
参考

「ヘルペス」とは「水ぶくれ」という意味です。医学的用語では、「疱疹(ほうしん)」といいます。 ヘルペスウイルスに感染すると水ぶ...

口内炎ができる原因

カタル性とアフタ性口内炎の発生する原因は、はっきりとは分かっていません。

今のところは次の3点が原因で、口の中にいつもいる細菌が異常繁殖してしまうためと考えられています。

  1. 偏った食事による栄養不足(特にビタミンB不足)
  2. ストレスによる唾液量の減少
  3. 疲れ、体調不良、睡眠不足による免疫力の低下

1.栄養不足による口内炎について

口の中の皮膚(粘膜といいます)を守ったり作ったりするには材料が必要です。

偏った食事によって材料不足になるとちょっとしたきっかけで口の中が傷ついてしまうと修復できなくなってしまいます。そして、口の中にいる細菌が傷口で繁殖してしまうのです。

特にビタミンBは、粘膜形成を促す作用がありますから不足すると口内炎になりやすくなります。
参考

肌荒れの原因はいくつかあって、代表的なのが皮質などによる汚れ、紫外線、アレルギー、乾燥、ストレス、疲れ、栄養不足だと思います。 ...

2.唾液量の減少についてについて

実は口の中には数千億個もの細菌が生息しています。(肛門より多いらしいです!)

免疫力が通常の場合は細菌の影響力と免疫力とにバランスとれて細菌に感染することはありません。

唾液には免疫力を強化する働きがあって、ストレスにより唾液量が少なくなると免疫力の低下が起こって細菌に感染しやすくなります。

その時に口の中に傷があるとそこで細菌が繁殖して口内炎ができてしまいます。

3.免疫力の低下について

体のひどい疲れ、風邪などの体調不良時、睡眠不足時は、免疫力が弱まってしまいます。

そうなれば上記の唾液量の減少で説明したとおり、口内炎ができやすくなります。

口内炎治療のおすすめ市販薬

口内炎治療に使用できる市販薬はネット上には色々な情報がありますが、2016年6月現在で厚生労働省が口内炎の治療薬として正式に認めている中からおすすめ市販薬を紹介します。

私がおすすめする2つの市販薬を同時に使用しても問題ありません。

口内炎は口の中の細菌感染が原因と説明しているのに消毒剤をおすすめしないのは理由があります。それがこの記事の「肝」です。

市販薬の紹介の次の項をご覧ください。(先にそっちを読んでもらっても構いません)

口内炎の治りを早くしたい

「ケナログA口腔用軟膏」を最もおすすめします。

口内炎といったらケナログです。医療用薬として使用されている薬と全く同じものが市販薬でも入手可能です。

ケナログの有効成分はステロイド剤で、炎症を抑える作用があって自己治癒で症状を治すサポートをします。

主役は自己治癒力でケナログはあくまで脇役であるため、この薬を使ったところで劇的に口内炎が治るというおのではありません。1週間程度使い続けることが必要です。

ケナログの効き目を高める4つの方法

ケナログの効果を高めるためには次の4点を守ることが重要です。

  • 薬を塗る前には歯磨きやうがいをして清潔にしておく
  • 塗った後30分程度は飲食はしない(食後に塗る)
  • 塗る直前に患部をティッシュで少し拭いて唾液を除いておく
  • 1日4回(朝・昼・夕・寝る前)塗る

うがいで清潔とありますが、イソジンなどの消毒液を使用してはいけません。理由は後ほど。

唾液を除いておくのは、薬を塗りやすく取れにくくするためです。ティッシュでサッとひと拭きで大丈夫です。

今すぐ口内炎の痛みを取りたい

「デンタルクリーム」を最もおすすめします。

麻酔成分が2種類配合されている薬です。体とか歯の麻酔と同じ分類の成分を含みますから薬を塗ればすぐに痛みは引いてきます。

口内炎を直接的に治す薬ではなく単に痛みを感じさせなくする薬であることに注意してください。

症状が治まったからといってアツアツの物とか刺激が強い物をいきなり食べると口内炎の治りが悪くなります。

痛みがあるということは無茶をしないでという体からの合図ですので、薬で痛みを止めてしまう意味合いを考えてください。

この2つ以外が薬でもっと強力な口内炎治療薬は?

このブログでおすすめの治療薬は、大学病院の歯科医師も使用しているし理にかなっているので良さそうとは思いました。

以前は、テラ・コートリル軟膏は口の中でも使用して良かったのですが、薬機法が変わって口の中には使用できなくなりました。

正式な使い方ではありませんからこのブログではおすすめしませんが、試したい方は自己責任でお願いします。

口内炎治療ではイソジンなどでうがい消毒してはいけない

まずは腸内の細菌の働きについて知ろう

「腸内フローラ」や「腸内細菌」って聞いたことがありますか?

腸内には人間の細胞数以上の数の細菌がいて、善玉菌2割と悪玉菌1割とその中間の日和見菌(ひよりみきん)7割の3種類の細菌で構成され、お互いに関係しながらバランスをとって成り立っています。

その細菌たちのことは「腸内フローラ」と名づけられています。

腸内フローラは人間の健康と密接に関わっていることが最近の研究で分かってきています。例えば、がん、糖尿病、アレルギー、肥満といった体の病気だけなく、うつなどの精神系の病気にも影響している可能性があるとされています。

これは善玉菌が増えればいい方向に働きますし、悪玉菌が増えれば悪い方向に働きます。

腸内フローラの大多数を占める日和見菌は、優勢な方に加担するドラえもんのスネ夫みたいなヤツですから、ちょっとした善玉・悪玉のバランスの崩れで一気に腸内フローラの状態が変わります。

善玉菌がたくさんはいっているヨーグルトや納豆などの発酵食品や善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖が体にいいと言われるのはこのためです。
参考

インフルエンザ予防にワクチンを接種される方も多いかと思います。 インフルエンザの予防接種前後にR-1乳酸菌が入っているヨーグル...

口の中も腸内と同じで細菌がいっぱい

口の中には細菌が数千億個生息していると上述しました。

実は口の中も腸の中と同じように善玉菌、悪玉菌、日和見菌とで成り立つ「オーラル(口内)フローラ」があります。

イソジンなどで消毒すると悪玉菌は殺菌できますが、重要な善玉菌も殺菌されてしまいます。

細菌なので消毒してもすぐに繁殖しますが、その時に免疫力が低下していたら悪玉菌優勢になってしまいます。

消毒剤は使った一瞬はいいのですが、長い目で見ると使用は良くありません。

消毒剤で敵も味方も一気にやっつける爆撃作戦を取るのではなくて、味方だけが増えるように増援や物資補給が重要です。

患部にだけイソジンを塗るという方法であればまだマシですが、それも次に説明する話でやめておいた方がいいです。

消毒剤は傷を修復する細胞も傷つける

膝とか体が傷ついた時ってどう対処していますか?

傷口を消毒剤で消毒して絆創膏を貼って、かさぶたを作るという手法ではないでしょうか。

最近ではこの手法が改められており、傷は消毒せずに水道水で洗うだけの方が傷がキレイに早く治るとされる「モイストヒーリング」という考え方が広まりつつあります。

消毒剤は傷を治す細胞も消毒されるために治りが悪くなると考えられています。

口の中も同じで、口内炎が出来たかといってむやみに消毒しない方がいいということです。

傷の手当てといえば消毒してガーゼで覆って早くかさぶたにするという方法が昔から実施されてきました。 これは家庭はもとより医療機関...

薬に頼らない口内炎の予防・治療方法とはオーラルフローラのケア

口内炎が細菌感染によるものだからといって消毒剤で殺菌するのではなくて、口の中の細菌を整えることが必要で、オーラルフローラの善玉菌を増やすことが口内炎の治療や予防につながります。

オーラルフローラで悪玉菌とされるのは、歯周病菌であったり虫歯菌です。歯周病や虫歯はオーラルフローラの乱れから来くるとの考えもあります。

オーラルフローラを善玉菌優勢にすることで、口内炎をはじめとして歯周病、虫歯にもなりにくい体にすることができるということになります。

ヨーグルトを始め、食物繊維、オリゴ糖など腸内フローラを改善させる食べ物や医薬品が、オーラルフローラの改善にもなって口内炎の予防や治療に有用ということです。

最近ではオーラルフローラの改善のための健康食品も複数販売されていますから、こうしたもので試すのもアリです。

セルフメディケーション税制の対象品

セルフメディケーション税制は、市販薬の購入費で税金が安くなる制度です。

「セルフメディケーション」は、英語で「自分自身」という意味を持つ「self:セルフ」と「薬物療法」という意味を持つ「medicati...

この記事でおすすめした市販薬が、セルフメディケーション税制の対象になるかどうかを紹介します。

対象になる市販薬は「○」、対象にならない市販薬は「×」で示します。

市販薬名 対象
ケナログA口腔用軟膏 ×
デンタルクリーム ×

まとめ

口内炎は誰でもなる口の中の炎症・細菌感染で、地味だけどすごく痛くて生活に支障を与えるムカつく野郎です。

厚生労働省が認めている治療薬、塩を塗るとか塩水でうがいをするといった民間療法もありますが、それよりも大事なのは口内炎になりにくくする体を作るということです。

そのためにはオーラルフローラの改善が必要です。

便秘解消のための腸内フローラの改善と同じ、善玉菌を増やす食べ物や医薬品で口内炎の治療や予防をしよう!

それでも全く治らない口内炎の時は重大な病気にかかっている恐れがあります。長期間続く時は病院受診をしましょう。

口内炎治療薬以外の他の薬効の外用薬で薬剤師のおすすめ市販薬は次のリンクからどうぞ。または、PCの方は画面上部のメニューボタンから、スマホの方は右上のメニューボタンからどうぞ。

15年以上の経験があるベテラン薬剤師が、症状別・状況別に最もおすすめな市販薬を紹介します

コメント

  1. 長尾忠 より:

    テラコートリル軟膏は医療用(処方用)としては今も感染性口内炎の適応があります。(陽進堂製造販売)。但し店頭販売用としては医師の診断なしに素人が自己判断により使用するため、口腔粘膜に使用し飲み込むことになるため、慎重を期して感染性口内炎の適応が外れました。(陽進堂製造ジョンソン&ジョンソンまたは武田薬品販売)。以前はファイザー製薬が製造販売し、そのころは医療用も店頭販売用も適応があったそうです、陽進堂の人がいうには。陽進堂がファイザーからテラコートリル軟膏の権利を買ったそうです。

    • 産業薬剤師 より:

      長尾忠様

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りです。

      2009年の薬事法改正時に一般用医薬品には抗生物質を使わない方向性になりました。
      医療用医薬品としてのテラコートリルは、以前のとおり口の中にも使用できますが、おすすめ市販薬を紹介する記事や項目だったためその辺りは省略してしまいました。