日本で認可ほやほや 新発売のイカリジン配合の虫よけスプレーを使ってみた

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庭の芝刈りや草むしり、登山、バーベキューなどで緑豊かな所では、蚊やブヨに刺されないように虫よけスプレーが欠かせませんよね。

私も庭の手入れをする時には虫よけスプレーを塗りまくった上に昔ながらの蚊取り線香に火をつけて、蚊を寄せ付けないように頑張っているものの完璧には防ぐことはできず1~2か所は必ず刺されてしまいます。

植物由来のハーブのようなものを除いて、これまで日本で認可されていた虫よけ剤は「ディート:DEET」という成分だけでした。

ディートの虫よけ効果は、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)も認めているものです。

熱帯地域の国でもよく使われているので効果は確かなものです。

しかし日本で認可されているディートの最大量は、外国でよく使用されている量の1/3程度で、効果や作用時間に物足りなさがありました。さらに、後で紹介しますが安全性に問題がありそうということが指摘されています。

そのような中、ディートと同じくCDCが推奨している虫よけ成分「イカリジン」を配合している虫よけスプレーが2016年3月から日本で発売されています。

そこでこの記事では、イカリジン配合の商品を実際に試した感想と新しい虫よけ成分「イカリジン」がどういったものなのか、ディートの差を中心に解説したいと思います。

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イカリジン配合の「天使のスキンベープ」を使った感想

この記事を書いている日の昼休憩中にイカリジンについてを知り、いてもたってもいられなくなって帰り道にドラッグスアによってイカリジンを配合の虫よけスプレー「天使のスキンベープ」を買ってきましたのでその使った感想をレビューしたいと思います。

全体像です。はっきりと分からないかもしれませんが、下のほうに子供向けのキャラクターが描かれています。
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ラベル部分を拡大するとこんな感じ。
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新発売の成分であることや世界54か国で発売されいているということをアピールするためのシールがついています。
lavel

天使のスキンベープの使用感

スプレーをすると始めは液体ですが、のばすとすぐになくなってサラサラになります。

シュッとした時は他の虫よけスプレーと同じような匂いがするなと思ったのですが、すぐになくなってラベルに記載がある通り、まさに「ベビーソープ」のような感じの香りがします。

しかもそれが長続きし、2時間以上前につけたのですがまだいい香りがただよっています。

とても使用感はいいと思います。

天使のスキンベープの実際の効果

会社からの帰り道に買いましたから蚊がたくさんいるところで試してはいませんが、この記事を書いている時にちょうどお腹が白黒の蚊が飛んできました。

スプレー後だったために腕の近くまで来てすぐにどこかにいってしまいました。

いつもだったら10分後くらいにまたやって来るのですが、今日はそれがないので効果が実感できています。

その後、次の休みにでも庭の手入れで使った感想は次のとおりでした。

庭の手入れの時にありがたかった「天使のスキンベープ」の実用性

庭の芝刈りをした際に天使のスキンベープを使用して実用性を確かめてみました。

結果としては『大満足』です。

庭には蚊がたくさんいて、2時間くらいかかる芝刈りを虫よけスプレー無しでという選択肢はあり得ません。

これまでずっと使っていたのは下の画像の『スキンガード』という虫よけスプレーです。

これを使っていた理由は特になく、妻が購入してくるのを使っていただけです(汗)。
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スキンガードを芝刈り前に使っても芝刈りの始めの頃はいいのですが、1時間30分くらい経つ終盤では蚊にいつもたかられていました。

なので芝刈り途中からは蚊取り線香もモクモクさせながらの作業をいつも行っていました。

そして今日は「天使のスキンベープ」を使ったわけですが、最後まで蚊が寄ってくることはありませんでした!1回も自分の周りを飛んでいるのを見ませんでした。

効果もうれしいのですが、ベビーソープのいい匂いが芝刈り終了後もずっとしていたところも良さを感じました。

ただ1点気になる所は、たくさんスプレーしてしまった場所だとは思うのですが、皮膚が少しだけ白くなっている部分がありました。

購入日に少し試した時は全く気づきませんでしたが、実際に使用するとスプレー量も多めになっちゃうためでしょうかね。

誰かと会う前にはスプレー量には注意したいですね。

でも水道水で洗い流せば白い物はなくなりましたよ。

ということで、我が家の虫よけスプレーはしばらく「天使のスキンベープ」に決定です。

新成分「イカリジン」の効果は?ディートとの比較

イカリジン配合の虫よけスプレーの認可を求めた審査報告書が厚生労働省傘下の医薬品医療機器総合機構(薬などの認可をする機関)のウェブサイトにありました。

企業秘密な部分は黒塗りになっているために全部は見れませんが、それ以外の部分でほぼイカリジンの効果や安全性が分かります。

ちなみにイカリジンは、外国では「ピカリジン: Picaridin」といいますので、この記事で紹介する内容よりもっと詳しく知りたい方は「Picaridin」、「ピカリジン」でも検索してください。

国が認めるイカリジンの効果はどれくらい強いのか

この審査報告書の結果によると、日本でよく使用されている虫よけスプレー成分10%ディートと5%のイカリジンは同等の効果だったということでした。

効果持続時間は6時間程度と記載はありますが、現実的には汗をかいてイカリジンが落ちやすくなりますから、効果はもっと短いでしょう。

あと残念ながらディートでは虫よけ効果があるノミ、イエダニ、サシバエ、トコジラミ(ナンキンムシ)にはイカリジンは効果がありません。

イカリジンの効果が認められた虫は、蚊、ブヨ、アブ、マダニの4種類です。

天使のスキンベープでは5%イカリジンですから、よくあるディートの虫よけスプレーと効果はそうは変わりません。

むしろ寄せつけない虫の種類が少ないデメリットもあります。

イカリジンは肌荒れに強く、赤ちゃんでも安全に使用できる

次に安全に使用できるのかをみてみましょう。

ディートは肌に刺激性がある虫よけ

ディートは消防法で「石油類」に分類される成分です。

そのために石油が溶かしてしまうプラスチックやレーヨン繊維などに影響を及ぼします。

私が勤務している会社でもよく起こるのですが、油は皮膚炎を発症させます。

全員ではありませんが肌の弱い方や体調が悪いとか汗をたくさんかいているといったことが重なると発生しやすくなるため、ディートの取り扱いには少し注意が必要です。

実際に厚生労働省からは子供への使用を次のように定めています。

赤ちゃんにはディートは使えません。

小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。

  • 6か月未満の乳児には使用しないこと。
  • 6か月以上2歳未満は、1日1回
  • 2歳以上12歳未満は、1日1~3回
また、今のところ厚生労働省はこの報告書で問題ないと言っていますが、ディートを頻繁に使うと神経に影響が出る可能性があることが心配されています。

イカリジンには副作用はほとんどない

イカリジンは審査報告書でも人や動物での副作用を確認した結果が掲載されています。

この審査報告書では皮膚への刺激性をはじめとして、イカリジンの安全性や副作用に問題は特になかったと結論づけています。

私が買ってきたイカリジン配合の虫よけスプレーの缶にもキャラクターがたくさん書いてあって小さい子供でも使用できることを示しています。

ただ、医薬品でもそうですが発売前の実験では、限られた対象でしか試しませんから発売して不特定多数の方が使用してみると思わぬ副作用が発見されることがあります。

従って審査報告書だけ確定はできませんが、イカリジンは世界54か国(2016年現在)で発売されているとのことですので、審査報告の結論を信じてほぼ大丈夫と考えられます。

審査報告書を見て初めて知ったのですが、医薬品でもない成分でも人でかなり確かめるんだなぁと思いました。

安全性を確かめる所ではイカリジンを飲んで問題ないか確かめているようですし・・・。

こういったボランティアの方の助けによっていい成分が世に出されるですね。

*安心とは言ってもそれは安全に使えることが「ほとんど」ということ。
人によってはイカリジンでも肌に合わないことがありますので、初めて使う時は少しだけつけてみて肌に問題ないか確かめてみることをオススメします。

イカリジンはジカ熱やデング熱などの感染症対策に威力を発揮

イカリジンは、蚊、ブヨ、アブ、マダニの虫よけ効果があります。

その中で蚊は、デング熱、ジカ熱、マラリア、西ナイル熱など、命を危険にさらす多く病気の病原菌やウイルスの運び屋です。

イカリジンで蚊にさされないようにすることはこうした感染症の予防にもつながります。

同様にマダニもです。

マダニは数年前に西日本を中心に少し流行した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を始めとして、いくつかの感染症を運んできます。

花見でもイカリジンで虫よけしよう

熱帯地方しかないはずだった「デング熱」も最近では日本でも発生していますから、これからはイカリジンが頼りになること間違いなし!

イカリジンはどのように作用して虫を寄せつけないのか解説

蚊やダニは人間から出される二酸化炭素や温度などをキャッチして近づいてきます。

触覚がそれをキャッチして脳に信号を出していますが、イカリジンは強制的に脳に信号を出させてしまい、人間から出されている二酸化炭素や温度なのかを分からなくさせる作用があります。

イカリジンを使うと蚊にとっては次のようなこんな感覚になるのかなと思います。

『真っ暗闇の中を匂いだけを頼り歩いていたら、あらゆる方向から同じ匂いがしてきて目的地がさっぱりわからなくなった。』

蚊がどのように人間に近づいて来るのかについては、他の記事でもう少し詳しく解説していますので、よければチェックしてみてください。

イカリジンは肌に良い!

ディートは子供への使用は注意が必要でしたが、イカリジンは皮膚の弱い方や赤ちゃんや子供にも安心して使用できる虫よけスプレーです。

「赤ちゃんデパート水谷」のネットショップでも販売していましたから納得ですね。

ディートは肌に合わなくて使えず、ハーブ系では虫よけ効果に物足りなさを感じていた方に最適な虫よけスプレーです。

イカリジン配合の他の虫よけスプレー

天使のスキンベープが発売された2016年は、イカリジン配合の虫よけはほとんどありませんでした。

しかし、2018年では数多くの虫よけが発売されています。

例えば「虫よけキンチョールDF」があります。

amazonのレビューでは、シュッとスプレーしてすぐからサラサラしていて、天使のスキンベープよりも使い心地が良かったとコメントしている方もおりました。

イカリジンの配合量は5%一緒で効果は同じです。

私は天使のスキンベープで全く気になりませんし、匂いもいいので庭の手入れで問題ない効果が確認できたら今後も購入し続けると思います。

30%もの高濃度のイカリジンを配合した虫よけも発売されています

2016年8月には、この記事で紹介した「天使のスキンベープ」の3倍量のイカリジンを配合した「天使のスキンベープ プレミアム」が発売になりました。

濃度が高くなることで効果が強くなるというより、作用時間が長くなります。

暑い外国に行く方は必見です。

飛行機に持ち込める液体タイプの高濃度イカリジンの商品もあるので、怪しげな外国製を買う必要もありません。

次の記事をチェックしていってください。

蚊、ブヨ、マダニなどに刺され時のおすすめ治療薬

虫よけスプレーで100%虫刺されが防御できればいいのですが、時間が経つにつれて効果は落ちるでしょうからいつかは刺されてしまうでしょう。

虫の種類によって、どのような市販薬で治療したらいいのかを解説した記事もあるのでよければチェックしていってくださいね。

まとめ

2016年3月に世界54か国で使用され、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)も推奨している虫よけ成分「イカリジン」を配合した虫よけスプレーが日本でも発売されました。

蚊、ブヨ、アブ、マダニへの虫よけ効果は、5%イカリジンとこれまで使用されてきた10%ディートとでは同等です。

しかし、ディートはさらにイエダニなど他の虫への効果もありますから効果面ではディートの方が上かもしれません。

ですが、安全性や副作用という面では、赤ちゃんにも安心して使えるイカリジンの方がメリットが大きいです。

天使のスキンベープは、スプレーをした直後は液体が残りますが、のばすとすぐになくなってサラサラになり、長時間続く匂いもよく使用感は全く問題ありません。

これからの虫よけ市場は、このイカリジンがメインになると思う将来性ある虫よけです。

4 Comments

アレちゃん

私はディートが入っているものを使うと肌が真っ赤になりますが、イカリジンの虫除けも同様にダメでした。
赤ちゃんにも安心とか、世界で使われている、と書いてあっても、やはり肌が弱い人にとっては、ディートもイカリジンも同じです。お気を付けください。

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産業薬剤師

アレちゃん

コメントありがとうございます。

やはり安全とは言っても誰にでも100%安全というものはありません。
医薬品等での「安全性が高い」とは確率論による一般的な話であり、個別には問題なく使えるかは確かめる必要があります。

ブログにその辺が書いていないのはよくありませんね。

追記しておきます。

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