私たちが小さい頃はやっていて、2016年度から義務ではなくなってしまった検査があります。
それは「蟯虫(ぎょうちゅう)」の検査です。
天使のような絵が書いてある袋に入っている透明なシールみたいなのを朝起きてすぐおしりにペタってやるやつです。
義務ではなくなったのは、日本の衛生環境が整っているのと同時に日本人の衛生意識も高まっていることがあって、蟯虫に感染している子供が極めて少なくなっているためです。
日本全体で蟯虫の感染率は0.1%以下ですが、実は地域差があって西日本や九州ではもう少し多いとされています。
世界に目を向けて見れば、かつての日本と同じように開発国を中心に外国ではまだまだ蟯虫の感染率はかなりあります。
海外旅行も気軽に行けますし、企業のグローバル化も進み海外出張や海外赴任も多く、外国で蟯虫に感染してしまう日本人も少なからずいますから、気軽に駆除できる市販薬があれば便利ですよね。
そこでこの記事では、市販薬の中から蟯虫を駆除できるオススメの市販薬を紹介します。
なお、人に感染する寄生虫は蟯虫だけではありません。どのような種類があるのか、市販薬でどういった寄生虫を駆除できるのかも解説しますのでご参考にどうぞ。
蟯虫が駆除できるオススメの市販薬
「パモキサン」を最もオススメします。
とは言っても、蟯虫用の市販薬はこの薬しか販売されていないんで、オススメもなにもないんですけどね。
私が薬剤師になりたての頃には「コンバントリン」という薬があったのですが、薬機法(昔でいう「薬事法」)が改正されて市販薬からは販売中止となり医師の処方が必要な医療薬のみになってしまいました。
蟯虫にはパモキサンで十分効果があるものの注意してほしい点があります。
それは後で紹介するとおり寄生虫には色々な種類があって、どれに感染しているか分からないので、説明書で規定された量を服用してもダメそうなら病院受診をしなければいけないところです。
寄生虫に感染していてもすぐに体がどうこうなるものではありませんが、市販薬で様子見をし過ぎないようにしましょう。
主な寄生虫の種類と市販薬で駆除できる寄生虫
寄生虫の種類
寄生虫はものすごい種類があってノミとかシラミとかも寄生虫ですが、まず思い浮かべるのは白く細長くてウネウネしそうなヤツですよね。
そういった主な寄生虫は次のようなものがあります。
- 蟯虫
- 回虫
- 条虫
蟯虫・回虫・条虫の特徴をそれぞれ簡単に紹介していきます。
蟯虫の特徴
蟯虫に感染しても深刻な症状はありません。
夜中に卵を肛門付近に産むため、おしりがかゆくて眠れないということがあるくらいです。
でもこれが子供や赤ちゃんだと夜泣きの原因にもなるので、親からしてみたら深刻な症状と言えばそうかもしれないけど。
肛門付近に産み付けられた卵を無意識で触ってしまった手で色々な所を触れ、他の人の手に卵が付着してそれが口に入ると感染が広がります。
蟯虫の卵は乾燥に弱いため、次の紹介する回虫の主な感染ルートである「畑の肥料」として使用する糞尿からは感染しないとされています。
回虫の特徴
この寄生虫が最も危険です。
脳や眼にも移動しまう可能性あって、とても重たい症状を発生することがある寄生虫です。
畑の肥料として糞尿がよく使用されていた時代では、野菜を食べることで感染が広がり日本でもかなりの感染率でした。
ですが、今では堆肥の発達や化学肥料の浸透ということがあって、糞尿を肥料として使用されることはほとんどなくなり、今ではほとんど感染者はいません。
ところが、海外ではまだまだ感染がある現役の感染症です。
特にベトナムでは、生春巻などで生野菜を食べる習慣がありますから感染者が多いようです。
そういった国に渡航される方は要注意ですね。屋台やあまりキレイでないお店では食事しない方が良いかもしれません。
条虫の特徴
「条虫」って単語は聞いたことはないかもしれませんが、「サナダムシ」という単語は聞いたことがあると思います。
種類が色々あるので「条虫=サナダムシ」ではありませんが、そのように思っていても差し支えないでしょう。
サナダムシであれば感染していても体に深刻な影響はありません。サナダムシが腸内の栄養を奪ってしまうので、ダイエット目的であえて飼っている人もいるくらいです。
海外には卵を売買するブローカーもいるようで。
あと寄生虫に感染していると花粉症のようなアレルギー疾患にかかりにくくなると言われており、これを目的でも飼っている人もいるとか。
一般的には、川に生息するサケやマスを生で食べることで感染します。
市販薬で駆虫できる寄生虫の種類
誰でも入手可能な市販薬で駆除できるのは、残念ながら最初に紹介した「蟯虫」だけです。
それは日本ではほとんど感染者がいないので販売中止になってしまったり、法律の規制が変わって市販薬では発売できなくなってしまっているためです。
しかし、「富山の置き薬」として知られる「配置薬」では、ドラッグストアなどは発売していない厚労省が特別に認めた薬が使用されるのですが、回虫にも効く「虫下しセメン錠S」という商品名の薬があります。
配置薬を契約しないと入手できませんからこの記事では説明を省略させていただきます。
もし契約しているようでしたら業者に聞いてみてください。
まとめ
衛生環境が整っている日本では、ほとんど気にすることがない蟯虫などの寄生虫。
海外では現役の病気で、海外旅行、海外出張、海外赴任などで感染するリスクが高まります。
蟯虫の症状はおしりが痒いくらいですが、寝不足の原因になったり子供では夜泣きの原因にもなります。
そんな時は市販薬で治療できる可能性があります。
でも正直、症状だけで蟯虫と決められるものではないため、パモキサンの説明書に記載されている規定量を服用しても症状が改善されないようだったら、他の感染を疑って病院受診しましょう。
寄生虫の駆虫薬以外の他の薬効でのおすすめ市販薬は次のリンクか、画面上部のメニューボタンからどうぞ。
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