薬学部卒業後、薬剤師や医療以外の別の仕事は?有名大学の就職先を調べてみた

今はちゃんと薬剤師をやっていますが、実は私は薬剤師になろうと思っていたわけではありません。

勉強に一生懸命でもなく、部活にがんばっていたわけでもなく、毎日ダラダラと過ごしていた中学・高校時代。

そんなですから将来なりたい職業もやりたいこともありません。

数学と化学がなぜかできたってこともあって、家から近く自分の偏差値にちょうど良かったのが、たまたま薬学部だったって理由で大学を選んだほど。

大学の仲間は医師になりたくても医学部に受からなかったとか、薬剤師になりたかったとか、看護師をやってたけど薬剤師になりたかったとか、やっぱり医療系に興味のある人ばかり。

「朱に交われば赤くなる」ごとく、友人の多くは製薬会社への就職を目指していたので、私もなんとなく製薬会社を目指すことにし、大学院への進学は製薬会社の受験資格を得るために行ったほどの主体性の無さで生きてきました。

ありがたいことに無事に製薬会社の研究開発職に就職できたのですが、入社してすぐに某自動車メーカーの第二新卒の募集案内を発見して、「こっちの方がいいかも」って応募してしまうフラフラしたダメなヤツでした。

自分の心の表面には出てきませんが、心の奥底では私は医療に興味がなくて機械や無機物を相手にする方が好きなのかもしれません。

そんな心理状態なので、医療とは関係ない業種である現在の会社が合うんだろうなと最近感じています。

私のそもそもの過ちは、大学の選択ミス。

高校生の時にちゃんと将来を考えていたら今とは違った人生だったでしょう。高校生でやりたいことが決まっている方がスゴイのかもしれませんが。

薬学部に入ってしまったら、もう医療関係や薬関係の仕事に就くしかないかと言われれば、きっとそうではないんだと思います。

そこで、私の大学では病院、薬局、製薬会社、CROやSMOなどの製薬関連会社、公務員、化学メーカーくらいしか就職事例はありませんでしたが、他の大学では違うんだろうなと思い、国立・公立・私立のそれぞれの偏差値上位3校(河合塾公表値)での進路を調べてみました。

薬学部に通ってはいるけど、薬剤師や医療以外の別の仕事に興味を持つ迷える大学生・大学院生に向けた内容です。

前置きが長くなりましたが、さあ行ってみましょう。

国立大学の薬学部の進路

国立大学薬学部の偏差値上位3校(河合塾公表値)は、東京大学、京都大学、大阪大学です。

今回は4年制学部卒、修士卒、6年制卒関係なく、薬学部の進路としてメジャーな公務員、製薬関係、医療関係、化学メーカー、材料メーカー、石油関係を除いたレアな就職先とその業種をピックアップして紹介します。

東京大学薬学部の就職先

こちらの資料を見て書いています。それにしてもスゴイ進路だなぁ。

東大はコンサルティングファームが多いですね。しかも世界的に規模の大きい会社が多い。

グロバールでみたら新卒で年収1000万円以上が狙える会社ばかり。日本ではそこまではいきませんが「高給取り」には違いないでしょう。

最近では「健康経営」や「長時間労働」がキーワードでそういうコンサル依頼も増えていることでしょうから、薬学のバックグランドがあるとコンサルへの就職は有利かもしれません。

高年齢社会の日本ではこれからヘルスケア分野が盛り上がるはずなので、広告代理店、総合商社、出版、生命保に就職していくのもうなずけます。

また、医療はこれからIT化が進みますからIT業界への医療関係者の必要性は高いでしょう。プログラムも組めたら鬼に金棒かも。

すごいのが「ゴールドマンサックス証券」ですね。さすが東大。

海運や運送などもあってホント幅広いです。

東大では「理科二類」としてざっくりと入学させるので、薬学部に通う学生の考え方が他大学とは全く異なるのかもしれませんね。

そういう先輩が多いのも視野を広げることになり、様々な会社に就職していくのでしょう。大学生の間に将来のことを考えられるのはめちゃくちゃ大きいです。

就職先 業種
楽天 IT
オージス総研 IT
グローバルテクノロジーサービス IT
ジャストシステム IT
日本アイ・ビー・エム IT
SGホールディングス 運送
商船三井 海運
エム・シー・アンド・ピー 広告代理店
電通 広告代理店
博報堂 広告代理店
A.T.カーニー コンサル
EYアドバイザリー コンサル
PwCコンサルティング コンサル
アーサーDリトルジャパン コンサル
アビームコンサルテイング コンサル
クニエ コンサル
コンシスト コンサル
日本経営システム コンサル
プライスウォーターハウスクーパース コンサル
ボストンコンサルティンググループ コンサル
デロイト 会計又はコンサル
ネイチャー・ジャパン 出版
日経BP社 出版
メディックメディア 出版
読売新聞社 出版
伊藤忠商事 商社
三井物産 商社
三菱商事 商社
三菱総合研究所 シンクタンク
住友生命保険相互会社 生命保険
日本生命保険相互会社 生命保険
ゴールドマン・サックス証券 投資・証券
野村アセットマネジメント 投資・証券
モルガンスタンレーキャピタル 投資・証券

京都大学薬学部の就職先

次に京大です。

こちらのページを参考にしています。

東大と決定的に違うのが、コンサルティングファームへの就職が全くないとこと。何故なんでしょうか。

その代わりに西松屋、三井住友銀行、アパレル、JR東日本、全日空と言った、薬学どころかヘルスケアとは全く別の会社への就職が目立ちます。

また、IT関連は、東大だと老舗が多かったのですが、京大では新鋭のCygamesがあったりと「京大らしさ」があるんじゃないでしょうか。

いずれにしても京大でも東大と同じように薬学部を卒業したからと言って、進路を絞ることはなさそうですね。

他の学部の方と同じように就職活動をする雰囲気があるのでしょう。

就職先 業種
ワークスアプリケーションズ IT
Cygames IT
西松屋チェーン アパレル
三井住友銀行 銀行
全日本空輸 空輸
住友商事 商社
丸紅 商社
三洋貿易 商社
マニュライフ生命保険 生命保険
キャノン デジタル機器
東日本旅客鉄道 鉄道
SBIホールディングス 投資証券
野村證券 投資証券
山崎製パン 製パン

大阪大学薬学部の就職先

国立最後は、阪大です。

どこが三番目の偏差値かは議論の分かれるところですが、河合塾公表値と私の主観で決めました。

こちらのページを参考にしています。

阪大では東大や京大と違って、薬学とは関係ない会社に就職するケースは少ないようですね。

すかいらーくは意外性がありすぎます。バイトからそのまま社員になんてこともあるんだろうか。

あとは京阪も面白いですね。電車が好き過ぎて就職しちゃったんでしょうかね。

就職先 業種
紀陽銀行 銀行
京阪ホールディングス 主に鉄道
すかいらーく 飲食
日本IBM IT

公立大学の薬学部の進路

公立大学薬学部は3つしかありませんので、名古屋市立大学、静岡県立大学、岐阜薬科大学で、国立と同じく4年制学部卒、修士卒、6年制卒関係なくレアな就職先を見てみましょう。

名古屋市立大学はこちらの資料こちらの資料を参考にしました。

静岡県立大学はこのページを、岐阜薬科大学はこのページを参考にしました。

驚いたことに公立大学3校をまとめても、名古屋市立大学からIT関連企業のネットプロテクションズに就職したケースしかありませんでした。

やっぱり、単科大学あるいは準総合大学では、東大・京大・阪大クラスの総合大学と違って、友人や先輩後輩の範囲が狭くて視野が狭くなるのかな。

あるいは医療関係以外に就職したいと思ってもノウハウが全くなく諦めざるを得ないかも。

特に岐阜薬科大学の歴史はかなり古いので、薬学部を卒業しておきながら全く関係ない業種に就職するなんてもっての他っていう雰囲気もあるのかもしれません。

私立大学の薬学部の進路

最後に私立大学薬学部の偏差値上位3校(河合塾公表値)の慶應義塾大学、東京理科大学、北里大学で、国立と同じく4年制学部卒、修士卒、6年制卒関係なくレアな就職先を見てみましょう。

慶應義塾大学薬学部の就職先

私立大学のトップは慶應義塾大学です。こちらのページを参考にしています。

さすがは慶應。東大や京大並みに幅広い就職先ですね。

きっと内部進学者が多く、交友関係が広いっていうものあって、視野を広く持ち就職する業種を範囲広く検討できる人が多いのではないかと推測します。

大手総合商社や大手コンサルティングファームなど、名だたる企業に就職しているようです。

就職先 業種
読売広告社 広告代理店
朝日新聞 出版
住友商事 商社
三菱商事 商社
デロイト トーマツコンサルティング コンサル

東京理科大学薬学部の就職先

次に東京理科大学です。

こちらのページを参考にしました。

東京理科大学も医療関係への就職する方ばかりでした。唯一、大日本印刷への就職が確認できたくらいです。

やっぱり大学の規模と就職先の範囲は比例しそうな感じがあります。

北里大学薬学部の就職先

最後は北里大学です。

偏差値的に3番手かどうかは議論が分かれますが、私の主観と河合塾での値を総合的に判断した結果です。

就職先はこちらのページを参考にしました。

東京理科大学が1個だけだったので、北里大学もそんなもんだろうと思ったら、意外と就職先は幅広いようです。

他の大学にはない人材派遣や統計関連企業なんかも面白いですね。

大学規模と就職先の幅に関連がありそうっていう私の仮説は、北里大学には当てはまらないようです。

就職先 業種
アクセンチュア コンサル
東洋クオリティワン 繊維
マイクロン 半導体
ワールドインテック 転職
VSN 人材派遣
ALBERT 統計
ACRONET IT
コグラフ IT

薬学に関係ない業種に就職するためには

新卒では学部不問の企業ばかりなので、薬学部出身だろうが受験資格はあります。

ですが、医療関係以外の企業に応募すれば、必ず面接で「なぜ、当社なのか。医療関係ではダメなのか。」を聞かれますので、まずはその回答を準備することが必須です。

また、薬学部は講義や実習が多くて、バイトやサークルなどで様々な人と交流する機会が少なくなりやすい。

ですが忙しい中でもなるべく大学の外に出向き、交友関係を広げて人間力を高めることが重要

面接では、留学や何かのリーダーとして活動するなど、目立つことは不要です。逆に目立つことがあるとその結果ばかりを主張しがちで、中身の薄い受け答えになりやすいです。

小さい話でもいいので、理路整然と考えることができる、行動できるなど、面接官に入社後活躍している姿を想像してもらえるようなネタを作ることが必要です。

アナウンサーなどの特殊な仕事でなければ面接対策は、製薬会社だろうが他の会社だろうが同じ。

バイトもサークルもロクにやってこなかった私が、製薬会社の研究開発職に就職できた面接対策のヒントを書いた記事がありますので、参考にしてみてください。

まとめ

国立・公立・私立大学薬学部のそれぞれ上位3校のレアな就職先をまとめました。

東大、京大、慶應は突出して、就職先が幅広いことが分かりました。

大学入学時点で薬剤師になる、製薬会社で薬の研究をするなど、将来やりたいことが決まっていればどこの大学でも問題はないとは思います。

そうでないなら大学生活中に大学内外の様々な人と交流し、刺激し合えると視野が広がり就職活動も範囲を広げて検討できるようになるのかなと思いました。

やっぱりそれがしやすいのは都会の総合大学ですよね。

最薬剤師の主な就職先とその仕事や給料の内容、就職や転職の仕方をまとめた4つの記事も参考にしてみてください。

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