【古くて新しい薬】胃薬セルベックスが実は画期的な薬だったって話

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医師が処方する薬の中に「ドグマチール」「アポプロン」「アタラックスP」という商品名の薬があります。

この3つの薬に共通するのは何だと思いますか?

それは全く異なる病気や症状の治療に使われている薬たちのこと。

  • ドグマチール:うつ ⇔ 胃潰瘍
  • アポプロン:高血圧 ⇔ 統合失調症
  • アタラックスp:痒みなどの皮膚症状 ⇔ うつや不安などの精神症状

実は、市販薬としても売っている薬「セルベックス」もこれらに仲間入り出来るかもしれません。

セルベックスの主成分「テプレノン」の新しい作用が分かってきたためです。

この理由を解説していきましょう。

胃薬セルベックスに分かってきた新しい作用

セルベックスは胃粘液増加作用によって胃酸から胃を守る薬です。

最近その胃粘液増加作用は、「HSP:Heat Shock Protein」を増加させることによってもたらされることが分かってきました。

人間のからだを構成するタンパク質はとても複雑な構造をしていますが、設計図であるDNAに決められた正しい形をしています。

タンパク質は、熱などのストレスによって形が変形しやすいのですが、これをDNAのとおりの正しい形に直す・整えるのが「HSP」になります。

中世ヨーロッパでお嬢様のお世話係「シャペロン」からとって、HSPは「分子シャペロン」とも言われています。

このHSPの作用は、タンパク質が変性することによって引き起こされる病気に有効であると考えられます。

なので、HSPを増やす作用があるセルベックスは、既存の胃を守る作用以外にも新しい効果があるかもしれないということなんです。

タンパク質の変性が原因となる病気には何がある?

変性タンパク質による代表的な病気として次の4つがあります。

  • アルツハイマー病
  • 肺線維症
  • 白内障
  • 狂牛病

このようなタンパク質の変性が原因で起こる病気は、現在の医学では治せない病気ですし、命に関わったり介護が必要になったり、とてもインパクトの大きい病気です。

水晶体のタンパク質が変性することで起こる「白内障」は、手術すればいいのですが水晶体を交換するピントが固定されて完全な近視や遠視になってしまうため、水晶体を薬で透明にすることができればとてもありがたい話だと思います。

まとめ

驚くことに昔から使っている薬って、正直どのように効いているか分からないっていうものが結構あります。

人間のからだの詳細が分かってくると「この薬は、そう効いていたんだ」となり、「じゃあこっちの病気にも使えるかもしれないな」といって研究が行われるケースがあります。

一から薬を作るのは莫大な時間と費用がかかりますから、製薬会社も古い薬に着目するでしょうね。

薬害で知られる「サリドマイド」も最近では多発性骨髄腫とうガンの一種の治療薬して使われ始めたように。

セルベックスは医師が処方する医療用の薬ですが、市販薬としても同じ成分(テプレノン)の薬が販売されていますので、飲み続けると何かいいことがあるかもしれませんよ。

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