錠剤がのめなくてツライ思いをしているのは子供だけではありません。
薬がのめないって言いづらいこともあってあまり知られていませんが、錠剤が苦手な方は老若男女を問わず結構います。
大人用の薬は基本的に錠剤なので、錠剤が飲めないのはキツイですよね。
そこで薬のプロである薬剤師が錠剤が飲めないアナタに、問題なく薬を飲めるようにする8つの方法と薬をのむ時のポイントを詳しく紹介しましょう。
目次
錠剤から別の形状への変更を医師や薬剤師に相談する方法
相談すること自体が恥ずかしい・・・・と思ってしまうかもですが安心してください。
錠剤を飲めない方はいっぱいいます。
医師や薬剤師は、錠剤がのめない相談には慣れていますので親身になってくれます。
ということで、まず最初に検討すべきは薬の形状を変更できないかということです。
医師や薬剤師に実際に相談すると次のようなことが可能です。
診察の時に医師へ相談できるのが手っ取り早いですが、なかなか言いだしづらい時は調剤薬局で薬剤師にご相談ください。
必ず親身になって対応してくれます。
- 小さいサイズの錠剤へ変更する
- 錠剤を半分に割る(半分にする時は必ず医師や薬剤師に相談を!)
- 口の中ですぐに溶ける口腔内崩壊錠(OD錠)へ変更する
- 錠剤からその他の形状へ変更する
- 調剤薬局で錠剤を粉々にする
では、順番に解説していきます。
小さいサイズの錠剤へ変更する
「錠剤が飲めない」が比較的軽度で、大きい錠剤が飲みにくい、処方された薬が大きすぎて飲めない時の対処法です。
例外はありますが、多くの薬には年齢や症状の程度に合わせて薬の量が調節できるよう含有成分量が異なる複数の大きさが準備されています。
例えば1錠あたり100mgの有効成分を含む薬では、半分の50mgの薬やさらに半分の25mgの錠剤も発売されていることが多いです。
含有量が少ないと錠剤は小さくなり飲みやすくなるため、薬を小さいタイプに変更できれば錠剤が大きすぎて薬がのめないリスクを減らすことができます。
ただこの場合は、1錠あたりは小さくなるものの、飲む量が1錠から2錠になったりと増えることになるのがネックですね。
同じような作用の別の小さい錠剤へ変更できることもありますので、まずはこの方法ができないかを医師や薬剤師に相談できるといいですね。
錠剤を半分に割る(半分にする時は必ず医師や薬剤師に相談を!)
錠剤の中には半分にカットできるものがあります。
それは、下の画像のように錠剤の真ん中に線が入っているものです。
この線は「割線(かっせん)」と言って、半分にしやすいように工夫されたものです。
メーカーが割線を入れて発売しているということは、半分にしても大丈夫な薬であることを示しています。
もし割線があれば、半分ずつ服薬してみるのも手ですので、実際にやってもいいかを医師や薬剤師に相談してください。
割り方は、手で割ることもできますが、できれば錠剤を半分にする専用のハサミをつかうときれいに割れますよ。
アマゾンなどで「錠剤 はさみ」などで検索してみてください。
口の中ですぐに溶ける口腔内崩壊錠(OD錠)へ変更する
これが最も効果的な方法です。
多くの錠剤は口の中に入れても何も変化はありませんが、一部の錠剤では口の中に含むだけですっーと溶けてなくなるものがあります。
一般的な錠剤を「普通錠」と言うのに対し、口の中で溶ける錠剤を「口腔内崩壊錠」、「OD錠」、「D錠」と言います。
しかも最近ではそういった錠剤が増えてきていますので、処方された薬が口の中で溶ける錠剤に変更できないかを医師や薬剤師に聞いてみるといいでしょう。
錠剤からその他の形状へ変更する
薬によっては、錠剤の他に「フィルム」と呼ばれるペラペラなシート状になっているもの、ゼリー状になっているもの、貼り薬になっているものなど色々な形状が発売されています。
または粉薬や液体のシロップも薬によってはあります。
どれも薬の効果としては錠剤と同じですから、こうした物に変更できると助かりますよね。
難点は、こういう特殊な形状の薬は、全ての薬に準備されていないことです。
しかし、最近ではジェネリック医薬品が普及しており、一つの成分に多くのジェネリック医薬品が存在することがあります。
多いと20種類以上にもなり、各ジェネリック医薬品メーカーは他社の薬との差別化を図るため、あれこれ工夫がなされています。
先発医薬品よりもジェネリック医薬品の方が飲みやすさが追求されていることがあって、先発医薬品にはない形状の薬が発売されていることがあります。
そういった新しいジェネリック医薬品は徐々に増えてきており、以前よりも薬の形状を変更できることが多くなっています。
過去に形状変更がダメだった経験があったとしても新たに相談してみる価値ありです。
また、ジェネリック医薬品の変更は、医師に確認することなく薬剤師の判断でもできます。
医師が知らない形状の薬を調剤薬局で用意していることもありますので、調剤薬局で薬剤師に聞いてみてください。
調剤薬局で錠剤を粉々にする
錠剤を半分にカットする方法に似ていますが、薬によっては錠剤をつぶして粉々にできることがあります。
医師に相談すれば、粉砕可能な薬は調剤薬局で対応をしてくれます。
医師に聞きづらい時は、調剤薬局で相談すれば薬剤師から医師に聞いてくれます。
自分自身でも粉々にすることも可能ですが、自己判断でやるのは要注意!!
錠剤は単に薬をぎゅっと固めたものではありません。
徐々に溶けるように工夫されていたり、胃で溶けずに腸で溶けるように工夫されていたり、様々な工夫の塊・技術の結晶ですので、自己判断で粉砕すると効果が全くなくなったり副作用のリスクが増えることがあるため要注意です。
必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。
自分で錠剤を飲めるようにする工夫
薬の形状が変更できない時は、どうにかして錠剤を飲むしかありませんよね。
そんな時は、次の錠剤を飲みやすくする方法があります。
- オブラートに包む
- 服薬用のゼリーを使う
- ゼリーやプリンなど食べ物に混ぜる
順番に紹介します。
オブラートに包む
キツイ言葉を柔らかい表現にすることを「オブラートに包む」と言うように、オブラートは、のみにくい薬はのみやすくする方法になります。
ドラッグストアやインターネットでオブラートを購入し、錠剤を包んで飲むと少しのみやすくなります。
ただ、オブラートは苦い薬や粉薬を飲みやすくするために使用されることが多く、錠剤を包んでも気休め程度かもしれません。
次のゼリーを使った方が効果的です。
服薬用のゼリーを使う
ゼリーの中に錠剤を入れて服薬できるものがあります。
オブラートのゼリー版といったところ。
ゼリーなので、するっと喉を通るため「喉に引っかかる」という不安がある方に有用です。
普通のゼリーを食べているような感覚で錠剤がのめるオススメの方法です。
このような服薬ゼリーは、ドラッグストアやインターネットで購入できます。
ゼリーやプリンなど食べ物に混ぜる
錠剤をスイーツのゼリーやプリンに混ぜたり、ヨーグルトに入れたり、バナナに入れる方法もあります。
しかし、この方法は注意点があります。
それは、薬の中には酸性やアルカリ性に弱いものがあるところ。
ゼリーの一部やヨーグルトは酸性ですし、アルカリ性の食品もありますから、むやみやたらに食品に混ぜる方法はあまりオススメできません。
実際にやる前に問題ないか薬剤師に確認してからにしてくださいね。
錠剤をのみやすくするコツ
錠剤を飲むための色々な工夫を紹介してきましたが、やはり周りのみんなと同じように錠剤を問題なく飲めるようになりたいですよね。
半分にしたりゼリーを用意したりは面倒です。
そこで、錠剤を飲むコツやポイントを紹介しましょう。
錠剤が飲めない原因の多くは、アメだとか大きいものを飲み込んでしまい怖い思いを経験したなど、過去の体験からトラウマになっていることが多いです。
薬をのむ時にそれを意識し過ぎてしまいのみづらくなっていると思います。
まずは、薬を飲むんだ!とあまり意気込まずに「単に水を飲んでいる」くらいの意識でいることが重要です。
実際に薬をのみやすくするテクニック(順番)は次のとおりです。
- 少量の水で喉に潤いを与える
- 水を一口分を口に入れる
- 上を向いて錠剤を口に入れる
- 正面から少し下くらいを向いて水を飲む
他のことを考えているくらいが丁度いいです。
ご飯では錠剤より大きい物を飲み込んでいるはずですから、錠剤が飲めないことはないはずです。
氷を粉砕したカケラで練習することもできます。
錠剤がのめない!を解消するテクニックのまとめ
大人でも錠剤が苦手な方は多いです。
医師や薬剤師はそういった相談に慣れていますから、まずは恥ずかしがらずに服薬しやすい形状の薬に変更できないかを相談しましょう。
次にゼリータイプのオブラートを使うことも有用です。
ですが、問題なく錠剤をのめようになりたいですよね。
ポイントが分かれば錠剤を飲むのは難しいことではありません。
薬を飲むことに意識を集中しないで水を飲むようだけのような感覚でチャレンジしてみてください。
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